出版社内容情報
厳しい差別を受け続け,近代において「祖国浄化」の名のもとに社会から排除されたハンセン病者.彼らへの偏見と,非人道的な隔離政策はなぜ続いたのか.日本社会全体がおかしてきた重大な誤りを多面的に検証し,わかりやすくまとめる.
内容説明
長い歴史のなかで厳しい差別を受け続け、近代において「祖国浄化」の名のもとに社会から排除されたハンセン病者―。ハンセン病への偏見はなぜぬぐい去られなかったのか。国家による苛酷な隔離政策はなぜ続いたのか。日本社会全体がおかしてきた重大な過ちを、歴史・医療・法律・ジャーナリズムなどの多様な視座から検証し、これからの真の人権回復と問題解明に何が必要かを考える。
目次
1 総論(隔離の中の医療;ハンセン病者の歴史と歴史家の役割;ハンセン病と近現代日本)
2 差別の歴史(中世の非人と「癩」差別;近世における「らい者」の社会的位置と生活の諸側面;イエスとハンセン病;戦国期キリシタンの渡来と「救癩」運動;「らい予防法」の法律上の問題)
3 ハンセン病と現代社会(菊池恵楓園からの訴え;ジャーナリズムの責任、私の場合;描かれたハンセン病;映画「砂の器」が問いかけてくるもの;父への手紙)
著者等紹介
沖浦和光[オキウラカズテル]
1927年生。比較文化論、社会思想史。桃山学院大学
徳永進[トクナガススム]
1948年生。一般内科、死の文化。鳥取赤十字病院、野の花診療所
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