都市と緑地―新しい都市環境の創造に向けて

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  • サイズ A5判/ページ数 358,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000241175
  • NDC分類 518.85
  • Cコード C3052

出版社内容情報

「都市の肺」とも呼ばれ,市民の憩いの場であり,都市環境にとり重要な緑地は,近代都市形成の中でいかに生まれ,現在に至ったのか.緑地を都市の社会的共通資本と位置づけることで,21世紀の都市環境の姿を提示する.

内容説明

「都市の肺」とも呼ばれ、市民の憩いの場であり、都市環境にとって重要な意味をもつ緑地は、近代都市が形成される中で如何に生まれ、現在に至ったのか。欧米における公園の誕生と発展、近代日本への導入とその後の展開を検討し、緑地を都市の社会的共通資本と位置づけることで、二一世紀の都市環境の姿を提示する。

目次

序章 近代都市の形成と緑地
第1章 近代公園の誕生
第2章 パークシステムの展開
第3章 総合計画としての都市計画へ
第4章 地域計画とグリーンベルト
第5章 日本の都市計画と公園緑地
第6章 社会的共通資本としての緑地

著者等紹介

石川幹子[イシカワミキコ]
宮城県生まれ。1972年東京大学農学部卒業、76年ハーヴァード大学デザイン学部大学院卒業、94年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。工学院大学建築学科教授を経て、現在、慶応義塾大学環境情報学部教授。農学博士、技術士(都市及び地方計画)。専攻は環境デザイン、都市環境計画。担当した設計・計画に、長崎市中島川公園基本設計、放射5号線の地下化に伴う新宿御苑再生設計、都立武蔵野中央公園設計、長岡造形大学ランドスケープ設計、埼玉県緑のマスタープラン等がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hidetada Harada

7
宇沢先生の「社会的共通資本」からの流れで読みました。今までで最高にチャレンジングな読書で全く読み進めず。途中をすっ飛ばし、終章のみ丁寧に読みました。都市における緑地の価値観が、国によって全く違うこと、そしてその背景にある歴史から、将来に向けた教訓を得ようとする試みと理解しました。効率化を優先した都市開発が、今の日本の都市における貧弱な緑地を生じさせたというのは、僕的には納得がいく論考でした。住民たちが当事者意識を持ち、義務と責任を負うことが重要。現状の政治に対する姿勢にも通じる教訓です。2020/08/09

おせきはん

7
欧米や日本において公園、緑地が整備されてきた歴史がまとめられています。憩いの場であるだけでなく、伝染病や火災を防ぎ、災害時には避難拠点ともなる公園や緑地は、まさしく社会的共通資本として確保すべきものであると思いました。2016/06/22

takahiroyama3

2
名著。欧米・日本の都市計画と緑地の展開を整理し、今後の姿を描き出す大作。展開史は博論に基づく。緑地は「偶然の所産によるものではなく、継承・創出・維持のための市民の意思と都市計画の制度、政策、財源が存在」した結果と論じる。そして、これから「都市の緑地を考えるとき、従来の物的環境としての『社会資本』の捉え方では限界があり、優れて、制度的、文化的な『社会的共通資本』として位置づけることが重要」として3つの方向性を示します。地球環境の有限性を踏まえれば、自然資源に配慮し、それを活かさない手はなさそうです。2021/03/08

Soichiro Higuma

2
内容としては,緑地やパークシステムの起源やそれがどのように日本や諸外国に伝播し,延いては都市計画や地域計画に派生し,交通や防災といった分野とも横断的に考えなくてはならないものになったかを解説.特に,日本における公園の面積の相対的な少なさを憂慮しこれからの具体的な展望をアツく述べていた. 形式としては,先日読んだ饗庭伸氏の著書同様,これから話す内容を提示して後で確認するタイプで親切だった.しかもそれが章や節の端でなくてもだったのでよりそうだった. P-PFIが最近導入された影響を考え,少し心配になった.2018/08/01

あけおちゃん

2
主に1,5,6章を読んだ。欧米の都市公園緑地と、我が国の都市(東京都)公園緑地の政策等の展開を紹介。緑地が残されてきたことは決して偶然の産物ではないことが書かれている。6章は社会的共通資本としての緑地を論じており、自分は主に農地について学ぶ身なので、農地と緑地の一体付の困難さが一層の課題となって、しかしより明確に立ち現れ、大変参考に(勉強に)なった。少し急いで読んだので再読を要する。2014/12/02

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