出版社内容情報
聖なるものの概念,恐怖/テロの思想――二つの両義性が導くものとは何か.古代の儀礼から中世の神学,18世紀の崇高思想やフロイト的無意識,そして混迷の現代にいたるテロリズムの系譜を,破壊と創造の弁証法によってたどる.気鋭の批評家イーグルトンが提示する,テロリズムについての斬新な形而上学的アプローチ.文化の限界は超えられるのか.
内容説明
文明の深奥には野蛮が潜む―。われわれがまさに直面しているこの人間の悲劇的宿命は、いかに回避することができるのか?破壊と創造の弁証法からたどるテロリズムの系譜。
目次
第1章 オルギアへの招待
第2章 崇高性の諸状態
第3章 恐怖と自由
第4章 聖人と自死
第5章 生ける死者
第6章 スケープゴート
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
22
2005年初出。 G.フロイトは、歴史をつくる営みに、自己破壊的なるものが 存在するという。歴史形成は、歴史そのものを跡形もなく 抹消できる諸力に依存(15頁)。 正統的な政治社会に対してテロ行為がつきつけるのは、 理性の根幹には、貪欲な非理性が存在し、 欲望、権力、搾取で現れ、合理的に正当化できない(85頁)。 テロリズムのいっぽうにあるのは、悪魔的とも、 はしゃぎまくるニヒリズム的ともいえる顔(119頁)。 権力を転覆させるのは、権力の強さそのもの(132頁)。 2014/03/31
mitsuru1
2
む、むつかしい。ノンフィクションルポみたいなのかと思っていましたが、これは哲学というか、神学というか。出版社は岩波書店でした、そうか。2011/12/24