出版社内容情報
魂を運ぶ舟とは言葉のこと。そして、生きていく私たち自身も魂を運ぶ舟――。歌という舟で魂を運び、自らの航路をゆく著者待望のエッセイ集。大切な人を見送り、老いを予感し、歌の力に再び目覚める魂の道行きを綴る。
内容説明
母を、そして恩師を、兄を…。大事な人々を送った痛切な思いの数々。そして、老いを意識しはじめた同世代への応援歌。自らの病と対峙するなかで、短歌によって再生する著者のたましいの道行きを綴る。『母ともっちゃん』以来九年ぶり、待望のエッセイ集。
目次
第1章 青虹(今の私がいちばん好き;不良老人のススメ ほか)
第2章 夕庭(シャレコウベ;先生と呼ばないように ほか)
第3章 花語り(本は凶器;季の詞 ほか)
第4章 残照(いつか行く旅;最西端の島 ほか)
著者等紹介
道浦母都子[ミチウラモトコ]
歌人。1947年和歌山市生まれ。71年、早稲田大学在学中に歌誌「未来」に入会、近藤芳美に師事。歌集に『無援の抒情』(現代歌人協会賞受賞、岩波現代文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki
2
朝霞図書館 多様な、まさに読む人それぞれに解釈が可能な短歌。31文字という制約が逆に宇宙を拡げていく。31文字という制約が限りなくイメージを膨らませる。 一点にフォーカスする向きの歌もあるが、オイラの好みは・・・。 「コスモスはにんまり風に甘え居り 自然体とは無頼なること」 2023/10/01
雨巫女
2
短歌ともに、描かれた日々の暮らしの中での大事な人たちの別れ。私のお母さん世代が書いた本。明日は、我が身。2010/07/06
コオロ
1
エッセイに自・他作の短歌を織り交ぜて、主に家族・友人を見送った経験を綴る一冊。第3章の『歌物語の夢』で書きたいと語っている「歌日記」のイメージは、この本に近いんじゃないかと思う。2024/03/09
ayako
0
共感するにはちょっと早い内容だったけど 短歌の31字にいろいろな事柄を詠む。 いいなぁと思いました。 また短歌関係の本読んでみたいと思います
yuki
0
「洗い髪濡れて光れるそのままをあなたに倒れてゆくまでの愛」 短歌は言葉を限定する。か・・・2011/08/06