出版社内容情報
漱石が大切に残した魅力的な絵はがきの数々。そこから作家の人柄と交友の新しい側面が浮かび上がる。オールカラー。
内容説明
門下生との気のおけないやりとりや、文人との交友。愛娘からの夏休みの報告や、読者による小説の感想。漱石が終生手放さなかった、いとしい絵はがきたち。
目次
第1章 「吾輩は猫である」の反響
第2章 門下生から
第3章 ゆかりの文学者たち
第4章 海外便り
第5章 満韓の人びと
第6章 修善寺の大患
第7章 家族とのやりとり
第8章 年賀状のさまざま
第9章 全国の読者から
著者等紹介
中島国彦[ナカジマクニヒコ]
1946年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。早稲田大学文学学術院教授を経て、早稲田大学名誉教授。日本近代文学館専務理事。著書に『近代文学にみる感受性』(筑摩書房、1994、やまなし文学賞)ほかがある
長島裕子[ナガシマユウコ]
1953年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了。早稲田大学文学学術院非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Gummo
41
岩波書店所蔵の漱石先生宛て絵葉書コレクション約100点を紹介。手紙好きだった漱石先生、受け取った手紙はほとんど処分したけれど、絵葉書だけは大切に残してたとか。明治の絵葉書ブームもあいまって、門下生や読者、国内外の友人知人から多くの絵葉書が漱石先生のもとへ届けられた。中には自筆の絵を描いてくる者がいたり(表紙にもなっている内田雄太郎氏の絵など見事である)、娘さん達からの微笑ましいものもあったりと見ていて楽しかった。 ★★★★☆2017/04/30
ひ ほ
32
夏目漱石宛てに届いた絵はがきの数々が紹介されています。漱石の交友関係をよく知っている人が読むともっと楽しいのだろうなぁと思いながら見ました。いろんな絵はがきが満載で絵を見ているだけでも楽しいのですが、後ろに文面翻刻がついているのでそれを見ながら読むと一層味わい深く読めます。絵はがきだからさらっと読めるかと思ったら思いのほかじっくりと読んでしまいました。表紙の絵はがきは内田雄太郎さんの自筆絵はがきとのこと。「吾輩ハ猫デアル」が刊行された際に送られたものらしいです。2017/01/30
ロマンチッカーnao
31
絵はがきはそれ自体が送り物。良い言葉ですね。筆まめな夏目漱石は生涯で2千通以上手紙を書いたそうです。その中には絵はがきも多く含まれる。そして、多くの絵はがきももらっている。もらった絵はがきのほとんどは処分されたそうですが、残った100通程度の絵はがきが紹介されています。その絵はがきを眺めていると、確かに絵はがきは送り物だと思います。ちなみに僕もどこか行った先に絵はがき売ってれば購入します。まあ、そのまま誰に送ることもなく引き出しの奥にそっと置かれてますけど。。2018/01/20
どぶねずみ
21
明治時代を生きた夏目金之助様へ宛てた絵はがきの写真集。私は手紙をネタにした本にはすぐ飛び付くが、本書は夏目漱石の交流関係や生涯を綴ったものとも言えそうだ。当時の絵はがきをみると、絵や写真だけでなく、書かれている文字にもとても情緒を感じる。また、一般読者からのいわゆるファンレターにもこまめに返信していたものと思われ、漱石のまめな性格がかいま見える。2017/05/14
雨巫女。@新潮部
10
《私-図書館》【再読】←2023年2月26日。漱石先生は、引越し魔だったから、よく残ってたんだなあ。2017/01/28