• ポイントキャンペーン

祖国より一人の友を

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000237161
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

政治が保守化し、個人が国家に囲い込まれる時代。著者が〈漂流〉の末に辿り着いた原点は、戦後の原点たる8.15であり「愛国」のくだらなさ・むなしさだった──。修業時代だった1949年から66年までの第1巻、日本の青春が総体として生きた最後の希望の時代だった66年から72年までの第2巻につづく、自伝3部作、待望の完結篇。

内容説明

「かくも激しき希望の歳月」を経て、いまや不惑ちかく再びパリに相まみえる著者。街の相貌は変わって見え、あのサルトルも「覆いようのない老いを露呈」し、フーコーの活動に瞠目する。日本を離脱して見事に生きる友。鉛のような心を抱えて帰国。激動する時代をひたと見すえるも、根を持たぬ語学教師は、その想い「しらけ時代の夢見る種族」とともに漂流。だが独り暮らしも板につき独自のスタイルが徐々にでき始める。成果は、なんと「フランス料理」「ベビーシッター」。こうした模索の日々を熟成させた快著『シングル・ライフ』の誕生とその大ブレイク。様々な思いもよらぬ方面からの反響、これに続く方々へ分岐してゆくネットワークの網の目。姿を現わし始める「共生」、そしてアジア。この「杖を失った時代」を著者は、自身の書くときの「心の弾み、喜び」の鼓動とともに描き出してゆく。自伝三部作完結編。

目次

1 フランス再会
2 耐えよ 耐えよ 蒼空の中で耐えよ
3 漂い感覚
4 分別盛り
5 “奉私奉公”の時代に
6 『シングル・ライフ』の前後
7 一九八九年

著者等紹介

海老坂武[エビサカタケシ]
1934年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。一橋大学教授、関西学院大学教授を歴任。専攻はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。