内容説明
艦内でいじめにより自殺した少年、人間性を破壊する「軍隊」という組織、息子の遺体をずぼんのベルトでしか確認できない原爆直後の広島の状況、人生を自らの選択で選べなくなること、愛する人に手を伸ばすことができない瞬間―。戦争を知らない世代へ、戦争を知る人びとはいったい何を伝えようとしたのか。二人の案内人が導く戦争文学への旅。
目次
五味川純平の章
鶴彬の章
高杉一郎の章
原民喜の章
大岡昇平の章
幸田文の章
城山三郎の章
取り上げたかった作家たちの章
著者等紹介
澤地久枝[サワチヒサエ]
ノンフィクション作家。1930年生まれ。敗戦で旧満州から引き揚げ。雑誌編集者、五味川純平氏の資料助手をへて、現職。「九条の会」よびかけ人
佐高信[サタカマコト]
評論家。1945年生まれ。高校教諭・経済誌編集者をへて、現在、『週刊金曜日』発行人。「憲法行脚の会」よびかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2020/02/22
sakusya
0
好き放題言っている割には、いざ自分が召し上げられた時のシミュレートをやっているのか甚だ疑問な連中が私の周囲には多い。死ぬ前に死ぬより辛い軍隊生活、戦場での飢餓、銃後の食糧難などにより今の生活は崩壊する。その辺を勘定に入れてモノを言っているとはどうも思えない。自分は蚊帳の外だとタカをくくっている。自衛隊が頑張れば頑張るほど国民生活は圧迫される訳だが(五味川純平「ガタルカナル」あとがき)、真っ先に音を上げて「こんなはずじゃなかった」と泣き喚くのは本書のような姿勢を笑い飛ばす連中であろう。私は予言する。2013/08/31
光太郎
0
オモロ2023/12/18
tecchan
0
佐高信と澤地久枝の2人が戦争を題材に描いた作品が多い作家について、その作品と書かれた背景などを語った対談集。五味川純平、鶴彬、大岡昇平、城山三郎など。作家と作品を語ることにより、戦争に明け暮れた昭和史を知ることになる。2021/12/10
まりこ
0
戦争文学は読むのがしんどい。当事者のことも史実もよく分からないので、五味川純平の本は多分ちゃんと読めない気がする。戦争は経済行為と繋がっていることまで考えると到底私の理解を超える。幸田文は読んだ事があるが、戦争文学として読んだことはなかった。父·こんなことを読みたいと思った。大岡昇平のことを書かれたものを読むと気になる人だが、ここで紹介された戦争文学は読むのに多分凄いエネルギーがいる気がする。2020/05/01