書物と映像の未来―グーグル化する世界の知の課題とは

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234801
  • NDC分類 020.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

書物と映像をとりまく環境が激変するなか、書籍や映画、ドキュメンタリー等のメディア文化財の保存と継承、利活用術に向け、市場原理とは異なる視点に立った具体的な構想が求められている。現場と研究を先導する論者たちが考える。

内容説明

グーグル・ブックス、電子書籍、ユーチューブ…。情報環境が激変するなか、学術書を含めた書籍や映画、ドキュメンタリー映像等のメディア文化財をいかに保存し、継承していくか。市場原理とは異なる視点に立ったそれらの利活用とは具体的にどのようなものか。国立国会図書館長の長尾真氏、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹/国際フィルム・アーカイブ連盟会長の岡島尚志氏、NHK放送総局ライツ・アーカイブスセンター長の大路幹生氏をはじめ、書物と映像をめぐる現場・研究を先導する論者たちの発言。

目次

1 書物の未来(書物と図書館の未来;グーグル問題とは何か;書物の公共性とは何か―グーグル問題をきっかけとして考える;グーグル・ブック・サーチ―近未来の著作権)
2 映像とネット文化の未来(映画文化財の長期保存―問題点の整理とフィルム・アーカイブの役割;放送アーカイブの新たな動き―「公共的利用」の視点から;これは誰の映画か?―ドキュメンタリー映画とアジアの共通の記憶;メタ複製技術時代における“知”の公共性;公共知の未来へ―デジタルの衝撃とメディア文化財)

著者等紹介

長尾真[ナガオマコト]
京都大学工学部教授、京都大学総長(第23代)、独立行政法人情報通信研究機構理事長を経て、国立国会図書館長。専門は、自然言語処理、画像処理、パターン認識、電子図書館

遠藤薫[エンドウカオル]
学習院大学法学部政治学科教授。理論社会学、社会情報学

吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
東京大学大学院情報学環教授。社会学、文化研究、メディア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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のの

2
ベンヤミンの複製技術の話を考えたら、またはハイデガーの芸術の起源を思い出せば、新しくできる情報についてはこれまでのメディアとデジタルの関係はこうなるのかな、と。 問題は過去の保存と利用、アーカイブと活用、そして人材。そこでは領域関係なく活動するしかない。2010/11/10

がっち

1
メディアの未来というのはどうなっていくのだろうか。新聞や出版やテレビなどもそうだが、媒体としての書物や映像とはどのようになっていくのだろうか。IT化が進むつまりグーグル化の世の中で書物はなくなってしまうのか。いやそんなことは私はないと感じている。書物と映像の共存が進みかけているように、また書物とWEBとの共存が進んでいき、そしてその範疇内でメディア文化財が守られていくのではないだろうか。個人的には書物がなくなっていくのは悲しいものがあるのでそういう未来をみたい。2013/05/31

loro

1
難しかったですが、これまでにない情報をつなぐ事が可能になる日を思うと期待に胸膨らみます。時代が追いついたらまた読みなおしてみたい。2013/03/28

本を読む日々

1
アーカイブスに焦点を当てた書籍。この分野に詳しくない人がさらりと読む分には良いかも。2013/03/02

わきが

1
メディア文化財をいかに保存・継承していくかについて、有識者たちが語っています。グーグルという一民間企業が世界の知である書物を電子書籍として集約していいのか、という懸念が本書中からひしひしと伝わってきます。著作権とか二次利用とか色々あるけど、第五章の「昨今の若者は映画史を学ぶ学生でさえ、白黒映画というだけで食指が動かなくなる傾向にある」という文に驚愕しました。確かに白黒映画は今見ると映像が荒かったりするけれど、白黒映画の陰影とか映画黎明期だからこその演出とか背後のイデオロギーとか面白いと思うのになあ。2012/09/22

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