祝祭性と狂気―故郷なき郷愁のゆくえ

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234429
  • NDC分類 493.71
  • Cコード C0011

内容説明

沖縄・宮古島から送る精神病理学再生の希望。精神病理学の荒廃を前に臨床と思索を続けきた精神科医は、沖縄・宮古島で衝撃とともに出会った“瞬間の狂気”に〈祝祭性の伝統〉という時間性を見出す。―そこにあったのは、精神病理学再生の可能性だった。

目次

私的経験から―序にかえて
これはシャマニズム論ではない
比較文化精神医学の方法はとらない
眠俗学管見
南の島の祝祭性
カミダーリあるいはカンダーリ
カンカカリャとカンダーリの時間論的差異
“祝祭性の伝統”とは何か
“神霊性”としての“動物性”
カンダーリとエロティシズム〔ほか〕

著者等紹介

渡辺哲夫[ワタナベテツオ]
1949年茨城県生まれ。1973年東北大学医学部卒業(医学博士)。都立松沢病院、東京医科歯科大学、正慶会栗田病院、いずみ病院(沖縄県うるま市)を経て、現在、稲城台病院勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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satoshi

4
何百冊か読んで一回あるかないかの衝撃。一番没頭していたとき、不意に近所で落雷があったけど、心の中ではすでに雷が落ちまくってた。10年ほど前、少し間をおいて二度、不意に不思議な現象に襲われた。以来あれは何だったのかずっと考えてたんだけど、この本の「瞬間の狂気」「カンダーリ(神垂り、神祟り)」にとても似てる。柳田國男が14歳のころやはりそういう体験をしているらしい。彼の回想の「あの時に鵯が鳴かなかったら、私はあのまま気が変になっていたんじゃないかと思うのである」という言葉が僕にはものすごくよく分かる。2011/07/11

arisa

1
「はっきり目に見えるものは、この世界の物のひとつに過ぎないじゃないか。そしてぼくたちが生きているこの世界は、物体の寄せ集めじゃあない。目に見えず手でさわることもできない何かによって動いている。わかるね」 統合失調症における「つつぬけ体験」が沖縄のとある青年の例ではよくある世俗的でギトギトした人間関係絡みの内容ではなく、「森の小鳥に」見透かされ「黒い影に」話しかけられるという自然界の物語をとっていること、そして彼の予後がとても良かったこと、というエピソード。統合失調症の本質は後者にあるのだろうと思う。2023/02/16

小高まあな

0
3年ぶりに再読。仕事がらみでであった本だけど、もうそんなに立ちますか……2018/05/15

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