触発する言葉―言語・権力・行為体

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  • サイズ B6判/ページ数 295,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000233927
  • NDC分類 310.4
  • Cコード C0010

出版社内容情報

権力の言葉,差別の言葉,そして希望の言葉.なぜ言葉は人を傷つけるのか.なぜ言葉は社会を変えられるのか.現代思想の最先端で「触発する言葉」を放ちつづける理論家が,言語の政治性を縦横無尽に論じる注目の書.

内容説明

どうして言葉は人を傷つけるのかどうすれば言葉が世界を変えるのか。フェミニズム理論現代思想の旗手としてめざましい活躍を続けるバトラーが現代アメリカの政治状況に迫る。

目次

序章 言葉で人を傷つけること
第1章 中傷発言、燃え広がる行為
第2章 ポルノと検閲―行為遂行性の権力
第3章 伝染する言葉―米軍の「同性愛」パラノイア
第4章 見えない検閲と身体の生産―言説的行為体の未来

著者等紹介

バトラー,ジュディス[バトラー,ジュディス][Butler,Judith]
カリフォルニア大学バークレー校、修辞学・比較文学のマキシーン・エリオット教授

竹村和子[タケムラカズコ]
お茶の水女子大学大学院教授。専門は批評理論・英語圏文学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

19
ヘイトスピーチ、ポルノ検閲、軍隊内のカミングアウト禁止法令を事例として、発話を行為とみなす理論の抑圧性や発話の持つ文脈の書き換え能力を考察している。アルチュセールの主体化論を引き合いに出し、呼びかけは人を特定の社会的位置に配置する機能があることを認めた上で、なおそれを否定する言語行為の可能性を説く。本書ではマッキノンとブルデューが批判される。マッキノンはポルノが女性の人格を貶める表象であるという主張をし、それは一定の妥当性があった。しかし表現を行為と解釈する法理はカミングアウトを抑制する権力に利用される。2021/09/12

nranjen

6
図書館本。バトラー独特の文体、疑問を繰り出し、自らの思考を研ぎ澄ます手法に感嘆。ぜひ本を入手し、英語版も読みたい!のに絶版。原書の内容も訳も素晴らしい。出版社にはぜひ再版をお願いしたい。フーコ、アルチュセール、ブルデュー、デリダの思想を援用、時に対峙しながら、憎悪発話、ポルノ言説、軍で禁止されている同性愛カミングアウトを切る。行為遂行、憎悪発話は原語の方が今はわかりやすいかも。それだけバトラーの問題体型が現代を捉えているということ?権力(ドクサ)に対する発話の反復・脱構築への曖昧な希望、訳者と同様に疑問が2021/01/27

★★★★★

4
差別的な言葉や表象は、いかなるメカニズムによって人を傷つける力を持ちえるのか。どのような論理によって権力はそれらを検閲し、言論の自由のなかから犯罪性を切り分けるのか。上記の主題を、具体的な現代アメリカの事例を踏まえつつ、人は権力からの呼びかけに応じてサブジェクト(主体/従属)化するといういわゆるエイジェンシー論を用いて分析する本です。初バトラー、けっこう難しかったですわ。2009/07/20

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