出版社内容情報
『科学的発見の論理へのポストスクリプト』第1巻の完訳.下巻では,確率論が主として扱われる.前著『科学的発見の論理』における確率論をさらに発展させ,独自の理論である「確率の傾向性解釈」を提唱する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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確率の頻度解釈の限界を見据えて傾向性解釈にシフトする著者は、単独事象の確率に注目する時、それ自身を物理的な特性を持つ力の関係と捉えて「状況」として抽出する。ここから出来事と実在の関係の非決定論が導出可能となる。よって、傾向性解釈は決定論に陥ることはないという意味で、帰納推論へと回収される確率と区別される(確率論理vs帰納論理)。確かにランダム性はただランダムなだけでなく何らかの傾向性を持つ点はフォン・ミーゼスの指摘がすでにある。が、「状況」と力に注目したことは進化論の新たな解釈に著者を押し出す基点となる。2017/02/23
yuki
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再読2008/08/01