出版社内容情報
ポパー哲学集大成の書,『科学的発見の論理へのポストスクリプト』第1巻の完訳.クーンへの応答,フロイトの精神分析学,ウィトゲンシュタイン哲学への批判的検討等を通じて,彼の科学哲学の到達点が語られる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
1
非決定論が頻度的でなく傾向性解釈になるのは、実験の繰り返しによって生じる変動を原因に求める決定論自身の限界と不可能性が理解されれば、決定論なしにその変動を説明する確率解釈を要するからである(著者は出来事を言明への信頼性に見出す確率の主観的解釈を拒否し、出来事と事象を区別することで客観性を持たせていた)。確かに頻度解釈は単独の事象には有効でなかった。それゆえ著者は確率の傾向性解釈を採用し、そのつど相互作用が働く状況に内在する論理を構想しつつ、決定論の前提である初期条件に観測結果が折り込まれる点を論駁する。2017/02/23
デコボコ
0
反証主義についての提唱者自身による再反駁もある、ポパー晩年の作品。でも、ポパーはやはり古典に過ぎないというか。 普通に解説書読むか、お弟子さんのラカトシュ読んだ方が洗練されているんじゃないかな。方法論的反証主義とか。 レポート書くのに二次引用を避けたい人、純粋にポパー自身に興味ある人は読めばいいかと。2013/01/11
yuki
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再読。2008/08/01