差異と隔たり―他なるものへの倫理

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  • サイズ B6判/ページ数 240,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230087
  • NDC分類 150
  • Cコード C0012

出版社内容情報

私との差異,私との隔たりとしての〈他者〉.それをめぐって思考することは,他者への関わりとしての〈倫理〉を紡ぎだす行為である.所有,時間,言語を足がかりに,他者と自己との関係=倫理に新たな息吹を吹き込む清新な思考.

目次

第1部 所有と非所有との“あわい”で―自己所有論をめぐる思考(所有の始原―いのちあるものの占有をめぐって;身体と所有―はたらく身体と痛む身体とのあいだで;所有と贈与―不可能な“贈与”としてのいのちの始まり)
第2部 他者と時間性との“はざま”で―歴史と他性をめぐる思考(他性の諸相―“他なるもの”から“他者”へ;時間と他者―和辻倫理学における“信頼”の問題をめぐって;歴史と他者―“過ぎ去ったもの”をめぐる思考のために)
第3部 語ることから呼びかけることへ―言語と他者をめぐる思考(言語の経験―“語ること”の経験をめぐって;言語の生成―ことばと意味の発生をめぐる思考のために;言語と倫理―“語ること”と“呼びかけること”とのあいだで)

著者等紹介

熊野純彦[クマノスミヒコ]
1958年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。北海道大学、東北大学を経て、現在、東京大学文学部助教授。専攻は倫理学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

makoppe

3
一ヶ月かけて読了。廣松渉の弟子らしく、「関係性」から現れるコトに言及し、その中でも言葉について取り上げている。人は誰かと関係することで、人になる。だけれども他者と一つになることは絶対にできない。他者は、私との絶対な差で、常に私の予想を裏切るものだから。それでも私たちは語る、呼びかける。希望をもって、祈りを込めて。そのようにして私たちは関係し、何かをなすことができる。他者は根本的に違う存在だが、祈りは伝わるかもしれない。世界は変えることができるはずだ。2016/01/26

おかりな

1
他者かどうかは私が言葉を使うかどうかである。 理解することは利用すること。手に馴染み、意識することがなくなることである。 ハンマーを振るうように、他者を扱うことはできない。 それは他者を利用する時、言葉を使うけれど、私はその意味が伝わることを、祈っているからだ。 私と他者の間に埋まらない隔たりがあるからだ。 愛犬を呼ぶことも、嫌な過去を悔いることも、未来を願うことも、それを他者だと認めている。2023/07/05

sk

1
レヴィナスの影響は勿論強いわけだけれど、著者独自の思考もまた面白く展開されている。2013/08/23

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