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させられる教育―思考途絶する教師たち

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230070
  • NDC分類 373.2
  • Cコード C0037

出版社内容情報

30項のチェック表を手に教室を巡回する校長がいる.「君が代」の伴奏を強いられ指が震える音楽教師がいる.「国旗・国歌」の強制に象徴される徹底的な管理・抑圧を図る教育行政が人間の心を壊していくさまをつぶさに報告する.

内容説明

「したい教育」を許さず、教師を徹底的に管理しようとする教育行政のもとで、そもそも教育論は成り立つのか。「管理のツール」の具体例や、苛烈な「処分」の文言を示しながら、人間の心が壊されていく様子を報告。「日の丸掲揚・君が代斉唱」の強制問題を入り口に、教育論義の新たな出発点をつくる。

目次

第1章 日の丸・君が代に傷つく教師たち
第2章 命を吸って唱われる歌
第3章 国家主義のダイナミズムに乗って
第4章 湧き起こる全体主義
第5章 造られたマーケット―「指導力不足教員」

著者等紹介

野田正彰[ノダマサアキ]
1944年、高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。長浜赤十字病院精神科部長、神戸市外国語大学教授、京都造形芸術大学教授、京都女子大学教授を経る。専攻は比較文化精神医学。都市の文化や、現代社会に生きる人々の心の変容をテーマにフィールドワークを続ける。おもな著書に『コンピュータ新人類の研究』(文芸春秋、大宅壮一ノンフィクション賞)、『喪の途上にて』(岩波書店、講談社ノンフィクション賞)などがある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ERNESTO

4
99年の国旗国家法成立の元となった、広島県世羅高校・石川校長自死の背景を高教祖や部落開放同盟の文書によらず、県教委報告書を元に探られた考察が主となっている。 98年に文部省特殊教育課長から転勤してきた辰野裕一教育長は、その下に手足になって働く教委とその末端に校長がいる組織感で、教委や現場を激変させた。 卒業式でのヒノキミを実施させる為に、同和教育との整合性に悩む石川校長を、兵隊のような教師像を教員に強要するようなホウレンソウで縛りつけ、24時間監視し、電話や自宅訪問で、コーエン医師が 2013/07/12

Nobu A

3
先日読了の「教育委員会」から導かれた本。教育委員会の全体像を浮き彫りにしているのに対して、本著は教育の現場での個々の教師の心理状況に迫る。読んでいてこちらまで鬱になりそうになる。日の丸掲揚・君が代斉唱問題と「指導力不足教員」問題。そもそも教員経験のない文科省官僚にどれだけ教員の為の政策が出来るのか疑問に思う。上意下達に校長が強いられる夥しい数の教員判定項目に管理社会を想起。このような環境でどんな教育が可能なのだろうか。一方で、他国の国歌斉唱を見ていると、新たな国歌作成は現実的ではないのかなと素朴な疑問。2020/11/29

おたきたお

1
世羅高校校長自殺事件を皮切りに、「指導力不足教員」のレッテル貼り、したい教育ができない現実。文部科学省-教育委員会の官僚性と没個性が「教育」とは独立した世界観を作っている。地方議員や解放同盟の横槍の記述も。密室でのやり取りは腐敗を生む。本書に書かれていることをもっと世間がアピールしないと、子供が腐る。2006/01/01

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