ルポ 雇用なしで生きる―スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000229449
  • NDC分類 366.023
  • Cコード C0036

内容説明

二〇〇八年の金融危機以降、深刻な不況と高い失業率に苦しむスペインで、政治改革とともに、いわゆる「雇用」なしでも豊かに暮らすための取り組みが盛んになっている。ユニークな「時間銀行」や、進化した「地域通貨」など、日本では知られていない貴重な試みを紹介。既存の経済・社会システムに依存しない生き方が見えてくる。

目次

1 変革を求めて(スペインで起きた市民運動15M;フリオ・ヒスベールの『雇用なしで生きる』)
2 挑戦者たち(「時間銀行」とは?;時間銀行の多様な生かし方;健康と環境を守るフードバンク;進化する地域通貨たち)
3 社会的連帯経済を築く(社会的連帯経済の担い手たち;「カタルーニャ総合協同組合」の革命)
4 もうひとつの経済、政治、社会の息吹(見直される共同体主義;市民による政治を目指す)

著者等紹介

工藤律子[クドウリツコ]
1963年大阪府生まれ。ジャーナリスト。東京外国語大学地域研究研究科修士課程修了。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表。スペイン語圏を中心に社会問題や文化等を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おおにし

18
スペインでもオキュパイ運動と同じような若者たちの社会運動が広がっている。M15運動という名称の社会運動で、元対独レジスタンス闘士でフランスの外交官であった、ステファン・エセルの「怒れ、憤れ!」という小冊子が運動の発端となった。小冊子でエセルはレジスタンスの根源は怒りであり、若者の雇用を奪い平和や民主主義を脅かす現代社会に対して怒りを持てと呼びかけている。この怒れる若者たちの運動もあり、スペインでは雇用なしで生きるための新しい経済システムへの取り組みが加速しているようだ。日本の若者たちにも、もっと怒りを!2016/06/25

17
日本で言えばグリーンズのような、新しい働き方を模索する人たちの声が詰まったスペインのルポ本▼自分よりも貧しい人を見て「自分はまだマシだ。よかった」と思いたがる若者→ミルエウリスタ。とても外国の話とは思えない▼カタルーニャ総合協同組合(CIC)の、特に自営業者向けの制度が興味深かった。あれだけ「公助」も「共助」もしっかりしていれば、独立の機運も高まるだろうな▼「つながり」は時間も金もかかる。それなら、時間をお金にしてしまおうという発想が面白い。色々とトラブルもありそうだけど。2018/06/11

佐藤一臣

6
スペインすごいな。資本主義やめて「社会的連帯経済」主義を広げようとする運動が。時間銀行は面白い。実は1973年の日本発祥らしい。カタルーニャ総合協同組合創始者の話もすごい。銀行に対して詐欺を働いて資金調達して活動するって言うバイタリティ。アンダルシアのマリナレーダの直接民主制を実現している村長もカッコイイ。お金や賃金雇用がなくても豊かに暮らしていける実践をしているんだね。ただ、時間銀行や地域通貨みたいにさらに複雑なものを上塗り導入していくのではなく、無料レンタル主義みたいにしていくのがいい気がするけど2023/08/06

まると

6
グローバル化して自分たちの手に負えなくなってしまった資本主義のルールから、半歩でもはみ出しておく。それが身を守るリスクヘッジとなる。人とのつながりをも醸成するこんなリベラルなムーブメントが日本にも起きたら、老後への漠然とした不安なんかも消えていくのだろうなぁ。そのために自ら行動せよと筆者は問いかけてくるが、少しでもお金をためておくことがリスクヘッジだといまだに思い込んでいる、情けない自分がここにいる。2018/12/25

バーベナ

6
時間銀行や地域通貨が、実際に流通している地域(主にスペイン)に住む人たちを丁寧に取材。ユーロが少ししか稼げなくても、生きられる方法を模索したらこういう方法もあった。もう少し考えていきたいなと思った。2016/08/04

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