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黒人霊歌は生きている―歌詞で読むアメリカ

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000228848
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0098

内容説明

かつて黒人奴隷たちは、彼らを取り巻く暴力・不安・絶望、そして死による天国での救済を歌った。かれらの歌に魅了された白人知識人たちは、そこに彼らの崇高な宗教性を見出し、天国での救済を歌う“神様の歌”を「黒人霊歌」と名付け、アメリカ社会に紹介した。だが、奴隷解放後も苦難の道を歩み続ける黒人たちに暴力・不安・絶望はいつまでもつきまとう。これらのネガティブな感情を歌った“悪魔の歌”はブルーズへと継承された。そして、“神様”と“悪魔”の2つのモチーフは、アフリカ系アメリカ人のつくる歌の中に今も生き続けている。

目次

序章 遠ざかる黒人霊歌
第1章 奴隷たちの歌
第2章 栄光への道のり
第3章 恐怖の鎖を解くために
第4章 ゴスペルソングのはじまり
第5章 喪失の痛みを抱いて、ブルーズへ
附章 黒人霊歌資料に表れたアメリカ

著者等紹介

ウェルズ恵子[ウェルズケイコ]
1958年生まれ。立命館大学文学部教授。専門は英米文学・文化。主にエズラ・パウンドを中心としたアメリカ現代詩の研究に取り組んできたが、近年ではアメリカ民謡(フォークソング、黒人霊歌など)や民話の研究へと枠を広げ、精力的に一次資料の発掘やフィールド調査に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぺったらぺたら子 

12
心に抱きしめたくなる本。読みながら思わずヨルダン川を渡ります。今、渡っています、灯りを持ってください、みなさんとはもうお別れです、という具合になります罪人よ。読みながら何度も何度も何度もヨルダン川を渡ってしまうのだ、やさしい馬車が迎えに来てくれるのだ、ハレルヤ。何ものかに隷属しながら生きていくしかない宿命を負った者、麦芽ミルクを飲み続けている者の、必読書であろう。これらは確実に昔、前世において歌っていた歌で、今も歌っている歌に違いない。そう思う。懐かしい歌なのだ。私も死にましょうか。おお、死にましょうか。2018/08/12

ataka

1
黒人霊歌、ゴスペル、ブルーズの歴史を俯瞰的見る。題名の通り、特に黒人霊歌を主題にしている。奴隷時代の黒人たちが歌ったとされる黒人霊歌、南北戦争ごろから黒人霊歌を白人に知らしめるための活動、その中で白人向けにアレンジが加えられた黒人霊歌。1940 年、古きオリジナルの黒人霊歌を研究目的で採取しようとした時、過去の拙い文献しか残っていなかったという。本書はそういった少ない文献から僅かでも黒人霊歌の変化を明らかにし、ゴスペルやブルーズへの繋がりを書き下している。2013/02/02

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