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獄中記

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  • サイズ B6判/ページ数 502,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000228701
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

微罪容疑によって逮捕、接見禁止のまま512日間勾留された異能の外交官は、拘置所のカフカ的不条理の中で、いかなる思索を紡いでいたのか? 神との対話を続け、世捨て人にならず、国家公務員として国益の最大化をはかるにはいかにすべきか? 哲学的・神学的ともいうべき問いを通してこの難題に取り組んだ獄中ノート62冊の精華。

内容説明

二〇〇二年五月一四日―。佐藤優は、背任・偽計業務妨害という微罪容疑で逮捕され、五一二日間、東京拘置所に勾留された。接見禁止のカフカ的不条理のなか、外交官としての死を受け入れ、神との対話を続けながら世捨て人にならず、人を恨まず、嫉妬せず、裏切らず、責任転嫁をせず、転向もせず、人間としての尊厳を保ちながら、国家公務員として国益の最大化をはかるにはいかにすべきか?この難題に哲学的ともいうべき問いによって取り組んだ六二冊の獄中ノートの精華。狭い煉獄での日常に精神の自由を実感しながら、敵を愛する精神とユーモアを失わずに、人間についての思索を紡いだ日記と、新しい同僚や友人に国家再生の道を綴った書簡から成る。憂国の士が綴った国家への復命書にして、現代の日本が生んだ類まれな記録文学。

目次

序章
第1章 塀の中に落ちて―二〇〇二年五月二〇日(七日目)から七月二八日(七六日目)まで
第2章 公判開始―七月二九日(七七日目)から九月二七日(一三七日目)まで
第3章 獄舎から見た国家―九月二八日(一三八日目)から一二月三一日(二三二日目)まで
第4章 塀の中の日常―二〇〇三年一月一日(二三三日目)から六月一五日(三九八日目)まで
第5章 神と人間をめぐる思索―六月一八日(四〇一日目)から八月二八日(四七二日目)まで
第6章 出獄まで―八月二九日(四七三日目)から一〇月九日(出獄後一日目)まで
終章
付録

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。在英日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、95年より外務省本省国際情報局分析第一課において勤務。1998年より主任分析官として活躍。2002年5月、背任容疑で逮捕、(7月に偽計業務妨害容疑で再逮捕)その後512日間東京拘置所に勾留される。05年2月執行猶予付き有罪判決(懲役2年6か月)を受け、現在控訴中。著書に『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(2005年、新潮社、第59回毎日出版文化賞特別賞受賞)、『自壊する帝国』(新潮社、2006年、第5回新潮ドキュメント賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

339
タイトルの通り終始暗い雰囲気だが、著者の来し方を考えたり、読書をしている所を見ると拘置所や刑務所って人生を振り返る場所なんだろうなと思った。私も犯罪はしないが、こういう集中出来る場所、環境を持ちたいな。2017/02/03

サトシ@朝練ファイト

48
ゴルバチョフの軟禁場所を唯一言い当てたこの作者は例えが上手い。拘置所の独房を「毎日が日曜日」なんてなるほどと思った。イギリスの一流ホテルより拘置所の食事の方が美味しいのか。容疑に関することは置いといて、専門分野の外交、神学等随分と読ませる。コーヒーを共に他作品も手に取りたい。2014/10/13

fishdeleuze

18
ユニークな獄中記だ。政治犯であること、国策捜査であることを明確に理解し、自身の立ち位置や信条に全くブレがない。そのせいもあるのか、独房に500日以上も収監されていた人の精神状態とは思えない。それにしてもこの精神の強さはどこから来るのだろうか。もちろん元々の性格もあるのだろうが、外務省時代に培ったタフさとキリスト教の信仰が大きいのだろう。信仰とは何かと考えずにはいられない。また本書はブックガイド、本の読み方、勉強の仕方の書としても優れている。 2013/06/04

それん君

10
再読しました。 僕としてはこの本は獄中記というよりも良い読書案内になりました。本の中で哲学の言葉を現実に引き入れているところが「ああ、哲学って空想の中だけのものじゃなくてこんなにも身近にいるんだ」って思えます。 この本をきっかけに、哲学の本にチャレンジしてみようかなと思いました。 また、佐藤さんの日記をつけた日と同じ日に読むと、なんか佐藤さんが近くにいるみたいな気がします。 独りで不安な時にこの本が手にあると恐怖から守ってくれそうです。2017/11/23

おらひらお

7
2006年初版。かなり読み応えのある一冊で、著者が獄中に届けてもらう本の多くは、全く知らないものでした・・・。著者のような人物が外務省からいなくなるのはやや残念なような感じもしますね。ただ、力がある人はどこででも活躍できることも証明する一冊といえそうです。読み終えるのに結構時間がかかってしまいました(笑)2013/12/08

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