出版社内容情報
追いつめられ思考を停止する教師たち。その状況下で鋳型にはめられ感情を強制される子どもたち――。日本の学校で何が起きているのか。
内容説明
追いつめられ思考を停止していく教師たち。その背中を見つめ、人格の分裂を巧みにしていく子どもたち。教育の現場で何が起きているのか。「君が代」伴奏を拒否したことで処分された教師の苦しみと抵抗の日々。良心のために闘う教師たち。「心の教育」がもたらすもの…。教師と子どもたちの生の声とともに、押しつぶされる学校のいまを鋭く描く。
目次
1 「心の教育」が学校を押しつぶす(一九九八年の中教審答申が推進力に;「伝統・文化」は未来を拓かない ほか)
2 「民間人校長」は、なぜ自殺したのか(民間人校長の死;なぜ前任の校長が処分されるのか ほか)
3 「君が代」強制によって、学校はこんなに変わった(音楽とのかかわり;二〇〇〇年三月の卒業式をめぐって ほか)
4 思いを打ちくだかれる教師たち(通達前から感じていた危機感;教育観 ほか)
5 コミュニケーションを奪われた子どもたち(狂気の沙汰と化す成績評価;先生との関係を歪める自己評価 ほか)
著者等紹介
野田正彰[ノダマサアキ]
1944年、高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。長浜赤十字病院精神科部長、神戸市外国語大学教授などを経て、関西学院大学教授。専攻は比較文化精神医学。おもな著書に『コンピュータ新人類の研究』(文藝春秋、大宅壮一ノンフィクション賞)、『喪の途上にて』(岩波書店、講談社ノンフィクション賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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