内容説明
親をエイズで亡くした子どもは1100万人。少年兵は13ヵ国で10万人。毎年20万人もの子どもが「奴隷」として売買されている。女の子の場合、一般に男より社会的地位が低く性的虐待などが、さらに加わってくる…。次の世代を担うアフリカの子どもたちの未来はどうなっていくのだろうか。きびしい状況のなかでも、よりよい未来をめざして新たな模索を始めている人たちは、何をしようとしているのだろうか。日本にいる私たちは、何をしてはいけなくて、何をしたらいいのだろうか。二十数年間にわたって、ジャーナリスト、国連職員、そして外交官としてアフリカにかかわってきた著者が、アフリカの今、そして未来を、数多くのデータとともに、子どもたちを通して描く。著者の暖かい眼差しが感じられる渾身のルポ。各国の紹介、関連URLなど、資料も充実。
目次
第1章 エイズが残した大量の孤児
第2章 日常的にくりかえされる性的虐待
第3章 女性性器切除(FGM)と少女たち
第4章 はびこる子ども労働
第5章 戦場で戦う少年たち
第6章 現代に生きる子ども奴隷
著者等紹介
石弘之[イシヒロユキ]
1940年東京都に生まれる。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、科学部次長などを経て編集委員。85~87年国連環境計画(UNEP)上級顧問。94年朝日新聞社退社。96年から東京大学大学院教授(総合文化研究科、新領域創成科学研究科)。2002年大学退官後、2004年までザンビア大使。2004年12月から北海道大学公共政策大学院教授。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事などを兼務。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞
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