ことばは届くか―韓日フェミニスト往復書簡

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000228459
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

強烈な個性と洞察力で日韓のフェミニズムを拓くふたりの往復書簡.70年代から現在までの女性・若者・大学・家族の激変を知的自分史から省察し,日韓の同時代の差異とそこからのヴィジョンを親愛のエールをこめて分かち合う.

内容説明

本書は「境界で語る talking at the Edge」のタイトルで、雑誌『世界』に連載された、上野千鶴子氏と趙韓恵浄氏の往復書簡に、両氏の「あとがき」の手紙を一通ずつ付け加えたものである。

目次

チズコ→ヘジョン―一九八八年ザグレブで、グローバルとバイリンガル
ヘジョン→チズコ―一九九〇年京都で、アメリカの博士号と済州島フィールドワーク
チズコ→ヘジョン―ステューデント・パワーの挫折とリブ、女性学の大学への浸透
ヘジョン→チズコ―軍事政権下の「六八年世代」、民主化運動のキャンパスとその後
ヘジョン→チズコ―運動圏と女性運動と「もうひとつの文化」、国民的主体の形成/解体
チズコ→ヘジョン―「私」のフェミニズム、愛国心と在日のナショナリズム
チズコ→ヘジョン―グローバルな同時代性、主婦化とフェミニズム
ヘジョン→チズコ―非同時性の同時性、「周辺」の知識人、多中心性への困難
チズコ→ヘジョン―Hanako世代と少子社会、介護の社会化と女たち
ヘジョン→チズコ―この社会に子どもを産んだ代価、一〇代たちとの挑戦と実験〔ほか〕

著者等紹介

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。社会学

趙韓恵浄[チョハンヘジョン]
1948年生まれ。延世大学社会学科教授。社会学、文化人類学

佐々木典子[ササキノリコ]
1950年生まれ。武蔵大学、立教大学非常勤講師。社会学

金賛鎬[キムチャンホ]
1962年生まれ。延世大学社会学科講師、ソウル市代案教育センター(ハジャセンター)専門研究委員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

11
趙韓惠浄氏が現代韓国の進歩派の女性運動史を簡単にまとめている。韓国にとっての1968年は、五月革命のパリよりもプラハの春のイメージ。70年代後半に韓国の大学も大衆化し始め、学生運動も盛んになってゆく。80年代は多数の教員が学生運動を支持する形▲東アジアの女性学の制度化は、韓国が先行する。女子大生は軍事教練の代わりの講座がある。アメリカ帰りの女性教授がフェミニズムを持ち帰る▲韓国の女性運動は、主流の運動圏(男性中心の、ということだが)に対し兄妹関係。進歩派内で役割分担がある。2018/12/08

kenitirokikuti

6
2004年刊行。ともに1948年生まれの上野千鶴子と趙韓惠浄(趙惠貞)による往復書簡。趙、〈植民地的な風土で自生的な知識を生み出すような仕事をする人びとは、たぶん「立場 (position)」を明確に持つ人だけです。つまりそれなりに社会運動の「現場」を持っているマルクス主義者か、フェミニズムやエコロジスト〉。上野が〈従軍慰安婦関連の論文を発表したとき、韓国のフェミニストたちはかなり批判的でした。「“被害者の姉妹”としての立場だけで、“加害者の娘”という自覚がない」というのがその骨子でした〉。2018/12/08

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