グローバル定常型社会―地球社会の理論のために

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000226233
  • NDC分類 364
  • Cコード C0036

内容説明

環境問題が深刻化し、またグローバル化の進展にともなって格差が拡大するなかで、地球規模での福祉社会の実現をいかにしてめざすのか。本書は、有限な地球社会において持続可能な福祉社会の実現をはかるには、経済成長を絶対的な目標としない、環境・福祉・経済を統合した新たな社会モデルを構築することこそが必要であるとして、「グローバル定常型社会」という新しい世界像を提示し、かつローカルなレベルからの実現の方途を示す。今後人類社会が選択すべき道筋を提起する、すぐれた理論的かつ文明史的考察。

目次

第1章 持続可能な福祉社会―数十年の視座から(環境‐福祉‐経済;定常型モデルの可能性 ほか)
第2章 グローバル・システム―数百年の視座から(自由貿易と「公‐共‐私」;不等価交換とエコロジー ほか)
第3章 風土/開放定常系―数千年~数億年の視座から(拡大型文明と定常型文明;空間・地理の優位へ)
第4章 グローバル定常型社会へ―ローカルからの出発(「グローバル・ミニマム」はあるか;「ローカルからグローバルへ」の全体構造)

著者等紹介

広井良典[ヒロイヨシノリ]
千葉大学法経学部教授。専攻は公共政策及び科学哲学。1961年生まれ。東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)、同大学院総合文化研究科修士課程修了(相関社会科学専攻)。厚生省勤務を経て、1996年千葉大学法経学部助教授。2003年より現職。この間2001‐02年マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。2008年山崎賞受賞。著書に、『日本の社会保障』(エコノミスト賞受賞、岩波新書)、『アメリカの医療政策と日本』(吉村賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ophiuchi

8
ここで提言されていることは、アベノミクスの対極にあるが、経済成長がすべてを解決するという考え方に疑問を持っている人は少なくないだろう。成長VS定常の形で議論が深まって欲しいと思う。2013/11/30

のぞみ

1
成長の世紀であった20世紀から、21世紀は新たな経済モデルが必要とされる時代になるだろう。人間は様々なものに所有権を付し、時間や情報を消費や投資の手段として組み込んできた。拡大の余地は徐々に狭くなる。今こそ、深めるとき。2010/01/26

suguruko

1
これからの世界も悪くない、と思いました。 以下は私の理解です。 人間の歴史は発展期と定常(停滞)期を繰り返す。 発展期には時間軸が、定常期には地域性が重要になる。 これからは、一人当たり生産性でなく、資源あたり生産性で図られるべし。 資源あたりの負荷で課税、再分配に使うべし。2009/07/03

ミツキ

0
特に第3章の内容が刺激的で興味深かった。ところで、人間は物質の消費に始まってエネルギー、情報、時間に移ってきたと書かれていたのを読み、まるで物質に内在する根源的な方へますますその手を伸ばしているかのように感じられた。エネルギー、情報、時間を取りだしてもなお物質に残るものが何なのか気になる。あるいはこれからは物質と物質の関係性なり関連性を消費するようになるのか。「空間的」な方向へのシフトとあわせて考えられなくもない。いわばコミュニティ単位の消費?2014/12/17

hachiro86

0
歴史上、定常型社会こそが常態であった。2009/04/24

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