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安全なお産、安心なお産―「つながり」で築く、壊れない医療

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  • サイズ B6判/ページ数 190,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000220545
  • NDC分類 495.7
  • Cコード C0036

内容説明

ハイリスク妊娠、早産、帝王切開が増加。NICU(新生児集中治療管理室)はパンク寸前。かつてはあたりまえの出来事だったお産が、なぜこれほど困難になったのか―。現場の声に耳を傾け、産む女性の視点から、希望ある未来への手がかりを探る。

目次

序章 出産が重たくなった時代に(まさか産み場所がなくなるなんて;少子化で脚光を浴びた妊婦たち ほか)
第1章 お産のたどってきた道(命を自然にゆだねていたころ;生まれた命を返す人々 ほか)
第2章 帝王切開から見える、お産の変化(なぜ、帝王切開は増えたのか;女性たちの身体の変化 ほか)
第3章 赤ちゃん救命最前線、NICUで起きていること(三〇人に一人が入るNICU;懐から保育器へ、保育器からNICUへ ほか)
第4章 これからの産み場所(「最後の砦」の新しい条件;病院に必要な経済的支援 ほか)

著者等紹介

河合蘭[カワイラン]
1959年、東京都生まれ。カメラマンとして活動後、第1子出産とベテラン産婆への取材を機に、86年より出産関連の執筆活動を開始。3人の子どもを育てつつ、出産とその前後に現代の女性が直面するさまざまな問題を追う。93年、医療者と女性、家族の対等な交流を目指し、ネットワーク「REBORN」を創設。雑誌、ウェブ、新聞などで出産や不妊についてのルポ、随筆などを多数執筆。東京医科歯科大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

makimakimasa

8
以前のお産はシンプルで素朴だった―そんな問題意識で書かれた本。日本で1899年の新生児死亡率は12人に1人(今は千人に1人)、生後1年以内は4人に1人、出産で亡くなる母は200人に1人(今は3万人に1人)。医療施設での出産が自宅出産を上回ったのは1959年。現代は少子化なのに分娩予約が難しいのは、激務と医療訴訟リスクで産科医不足が起こり、90~00年代で分娩を扱う産科施設が激減したのが理由。帝王切開が80~00年代で2倍に増えたのは、医学の進歩と少子高齢化によるリスク回避意識の高まりが関係している。2020/07/02

鳩羽

7
産科医がいない、そもそも産める場所がないという産みにくさの原因を、いろんな繋がりから俯瞰しようとする本。少子化で子供が減ってもNICUの病床にゆとりができるわけではなく、高齢出産以外でも低体重児が増えて、むしろ周産期医療の要望は増えているらしい。逆子も、リスクが少なければ経膣分娩していたものを帝王切開で行うのが当たり前になり、今では経膣分娩できる産科医の技術自体が継承されなくなってしまった。ローリスクの出産でも、わずかな可能性を恐れて安全策に向かうことは一個人としてはよく分かるので、なんとも難しい。2018/09/25

CCC

5
まっとうな本だった。少子化の理由の一端も見えた気がする。安全、安心が様々な代償の元に成り立っている、そんなところも節々から感じられた。2018/10/20

なつめ

2
とても分かりやすかった。生の取材を軸にして、お産に関わる問題について発生経緯と現状を資料と共に解説している。妊婦さんだけでなく、産科医療に携わる人、興味を持ち始めた人に読まれてもいい一冊ではないだろうか。2011/03/19

ミロ

1
明治時代に医大の前身ができ、学校を卒業した「新産婆」が増え、妊婦死亡率が低下。しかしGHQ占領下で助産師中心の政策→病院での出産がメインに。超音波装置が開発され、リスク回避のため(背景には不妊治療、少子化、ハイリスク妊婦の増加)帝王切開は増加。 私は昨年助産院で出産しました。鍼灸、漢方、食生活…たくさん知識を教わりました。出産時は家族が立会い、夫婦が力を合わせて産んだ達成感があり、とてもいい経験になりました。すべての女性が働きながら自分の望む妊娠、出産、育児ができるゆとりある社会になれば。切に思います。2022/07/02

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