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アメリカン・センター―アメリカの国際文化戦略

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000220439
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C0036

内容説明

近年、世界各国で急速に高まるパブリック・ディプロマシーへの関心。それは、いかに国益に適うように自国を他者(他国)に理解させうるか、いかに世界認識の仕方を設定できるか、言説を支配できるかということに関わる事柄である。そこには、外交とは何か、政治とは何かという問いにとどまらず、他国や文化を「理解」するとはどういうことかという、より根源的な問いが含まれている。著者は、米国のパブリック・ディプロマシーの主たる担い手である「アメリカン・センター」に着目し、創設以来約半世紀にわたるその活動理念や活動実態の変遷を究明。パブリック・ディプロマシーをめぐるさまざまな言説のせめぎ合いを「文化の政治学」として考察し、文化研究、またアメリカ理解に一石を投ずる。注目を集める気鋭の研究者による年来の研究成果を総合する意欲的考察。

目次

第1章 プロパガンダか広報か(例外としてのアメリカ;アメリカ最初の宣伝機関 ほか)
第2章 冷戦下の広報文化活動(広報と文化;天皇批判の回避 ほか)
第3章 パブリック・ディプロマシーの誕生とベトナム戦争(「パブリック・ディプロマシー」の誕生と挫折;ケネディ=ライシャワー路線 ほか)
第4章 ポスト冷戦時代のパブリック・ディプロマシー(USIAの終焉;孤立主義の台頭 ほか)
第5章 パブリック・ディプロマシーとソフト・パワー(税金の論理;パブリック・ディプロマシーの課題 ほか)

著者等紹介

渡辺靖[ワタナベヤスシ]
慶應義塾大学SFC環境情報学部教授(文化人類学、文化政策論、アメリカ研究)。1967年生まれ。90年上智大学外国語学部卒業後、92年ハーバード大学大学院修了、97年Ph.D.(社会人類学)取得。ケンブリッジ大学、オクスフォード大学、ハーバード大学客員研究員を経て、2006年より現職。2005年日本学士院学術奨励賞受賞。著書に『アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と“文化の政治学”』(慶應義塾大学出版会、2004年、サントリー学芸賞、アメリカ学会清水博賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

4
良書。アメリカのパブリックディプロマシー(PD)の変遷と、時の政権の対外政策との連関を概観できる。主に扱うのはWWII後から2000年代初頭まで。アメリカは孤立主義の伝統から、平時のPDにはさほど積極的でないものの、戦時のPDはスーパーパワーであるアメリカの絶対的な規模感を感じられる。他方で、全編を通じてPDの概念の曖昧さは拭いきれず、その効果測定の難しさを痛感する。あとがきにある、アメリカのPD担当者の言葉が重い。「銃を持った瞬間に、実は、もう戦争に負けているのです。戦争では全員が敗者なのです」2022/04/16

ななっち

3
私自身、札幌総領事館のIVLPでアメリカに行きましたが、当時その歴史とか制度の内容をもう少し詳しく知っていたら良かったと感じることがあります。自分が行ったプログラムはアメリカン・センターの一般予算とは別のワシントン.D.C計上の予算であることもこの本を読んで初めて知った次第です。アメリカの文化戦略についての良し悪しの評価はあろうかと思いますが、日本にとっても参考になると感じます。2012/02/18

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