出版社内容情報
災害遺児,病気遺児などを対象とするボランティア教育奨学運動=「あしなが育英会」を無から育て上げた玉井義臣と周辺の人物像を,活動の前史とともに描き出し,その意義を社会運動論的観点から位置付けた労作.
内容説明
災害遺児、病気遺児、自死遺児などを対象とした教育奨学運動である「あしなが育英会」。今や国際的にも認知されるに至った、このわが国有数のボランティア活動を無から立ち上げ、ここまで大きな組織に育て上げた玉井義臣と周辺の人物像を、その前史である「交通遺児育英会」の栄枯盛衰とともに描き出す。かれらの活動の意義を社会運動史・社会運動論的に位置付け社会学の新しい局面を切り開いた優れた学問的考察であるが、それ以前に本書は、理念に燃えて活動する心ある社会運動家たちへの励ましに満ちた社会批判の書である。二つの育英会運動に研究者として関与してきた著者による、まさに「あしなが運動四〇年史」ともいうべき労作。
目次
個人的体験
時代の本質
交通評論家の誕生
社会運動家への変身
資本の論理・民衆の論理
時代を撃つ
若い運動家たち
「あしながおじさん」群像
教育運動家の自己発見
恩返し運動の展開
過剰成功と問題の性格変化
社会運動家は追放された
もうひとつの物語
社会運動の社会学への示唆
著者等紹介
副田義也[ソエダヨシヤ]
1934年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会科学研究科修士課程修了。筑波大学社会科学系教授を経て、現在、同大学名誉教授。金城学院大学教授。博士(社会学)=東京大学
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