岩波講座 政治哲学〈5〉理性の両義性

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  • サイズ A5判/ページ数 223p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000113557
  • NDC分類 311.1
  • Cコード C0331

内容説明

二〇世紀後半、二度の総力戦と全体主義の経験に立って、それらを惹き起こした近代の理性のあり方に真剣な反省が加えられた。理性への批判は、差異を尊重しながらもそれが隔離や分断を導くのではない社会統合の諸構想へと結びついた。フランクフルト学派からチャールズ・テイラーまでの思想の検討を通して、暴力的・抑圧的ではない公共的理性のあり方を展望する。

目次

1 全体主義を超えて(フランクフルト学派―唯物論のアクチュアリティ;ハイエク―自生的秩序を守るための統治にひそむ問題性;アーレント―政治の終わりと始まり)
2 自由と他者(サルトル/カミュ―実存と二〇世紀の政治;フーコー―公共性と倫理への問い(カントを読むフーコー)
デリダ/ランシエール―デモクラシー・他者・共同性)
3 正義と共通善(ロールズ―「正義とはいかなるものか」をめぐって;ハーバーマス―正統化の危機/正統化の根拠;テイラー―コミュニタリアニズムと多元主義の「あいだ」)

著者等紹介

齋藤純一[サイトウジュンイチ]
1958年生。早稲田大学。政治理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

25
重田園江氏のフーコー論:近代社会は自分を第一に考えながら、エゴをよくないものとして非難するという中途半端で矛盾した価値観に基づいて作られてきたという。自分と他者や共同体とのありうる関係を別の視野から捉えることが肝要(120頁)。松葉祥一氏のデリダ/ランシエール論:共同性 なき共同体(141頁~)。井上彰氏のロールズ論:正義論が社会的協働を実行できるものとして、正義に適った法システムやデモクラシーの政体、市場経済を意味する社会の基本構造、諸制度を最重視するのが重要(152頁)。2015/05/14

えむ

1
20世紀の政治哲学に関する諸論考を集成。前世紀の政治哲学というと、どうしてもロールズ「以後」の英米圏での展開に目が行くが、それだけではない多様性が存在していることを再認できる1冊。特にフランス系の「思想家」を扱った諸論考は興味深かった。2018/06/08

MrO

1
緊急の課題。ただ、もう少し読みやすければなあ。講座の体裁では無理か。論者自身の問題意識、つまり読者への配慮が見えてくれば面白かったのになあ。2015/07/30

ヌクンダ将軍@鬼畜の所業

1
20世紀後半の思想家達に着目し、近代思想の核となる「理性」の意義を問い直す。2014/02/14

陽香

0
201401292017/03/19

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