出版社内容情報
天皇と天皇制はこれまでどのように論じられてきたか.現在の到達点とこれからの課題を問う.また一方で,世界各地域の代表的な王権において,権力はいかなる展開過程をたどってきたのか.本講座の問題関心を提示する.
内容説明
日本国家のあり方が根源的に問われている今、天皇制への問いは避けて通ることができない。本講座は、天皇を広く世界史的連関のもとに置き、多角的な考察と問題提起をめざす、初めての試みである。第1巻では、天皇がどのように論じられてきたか、現在の到達点、これからの課題は何か、といった本講座の問題関心を提示するとともに、権力の展開過程を世界各地域の代表的な王権をとりあげて考察する。
目次
総論―社会・国家・王権(社会・国家・王権)
1 天皇をめぐる言説と状況(津田左右吉・和辻哲郎の天皇論―象徴天皇制論;天皇制批判の展開―講座派・丸山学派・戦後歴史学;日常へ降りる天皇像―民俗学・文化人類学・文学研究における天皇制 ほか)
2 さまざまな王権(古代中国の王権;ローマ帝国の王権―ローマ帝政の成立とその性格;ヨーロッパの王権 ほか)
著者等紹介
網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年生まれ。専攻は日本中世史
樺山紘一[カバヤマコウイチ]
1941年生まれ。専攻は、ヨーロッパ中世史
安丸良夫[ヤスマルヨシオ]
1934年生まれ。専攻は、日本思想史
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