出版社内容情報
流体の連続の方程式は,マクスウェルの電磁場の方程式に通じる.さらに,この方程式のもつ「時空の非独立性」は光速不変の原理をもとにアインシュタインの特殊相対論へとつながる.一般相対論も含め数学的構造を明快に解説.
内容説明
前半は無限自由度の力学系を扱う。とくに流体や弾性体などの連続体の運動について考察する。連続体の運動方程式は、マクスウェルの電磁場の方程式に通じる。そして後半で、その電磁場方程式のもつ「時空の非独立性」の問題を光速不変の原理をもとに解決したのがアインシュタインの特殊相対論である。さらに重力を含めた一般相対論の建設へと向かう。20世紀の物理革命を数学から捉え直す。
目次
1 流体(流体の運動方程式;面積力と応力テンソル)
2 固体(変位とひずみテンソル;弾性体)
3 電磁場の理論(マクスウェルの方程式;電磁場の運動量とエネルギー ほか)
4 特殊相対論(マクスウェルの方程式の座標によらない表現;ミンコフスキー時空 ほか)
5 一般相対論(アインシュタインの方程式(真空の場合;物質のある場合)
弱い重力場)
著者等紹介
砂田利一[スナダトシカズ]
1948年生まれ。1972年東京工業大学理学部卒業。現在、明治大学理工学部数学教室教授。専門は、大域解析学
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感想・レビュー
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PapaShinya
1
この本自体は良い本です。例題や演習問題などが豊富で、何とか理解させようという著者の熱意が伝わってくる。しかし、この本で扱っているテーマは、ゴールドスタインの”古典力学”でいうと下の13章、つまり最終章。この”岩波講座 物理の世界”の趣旨は、初学者が本格的な専門書を読む前に、予備知識なしで通読できる基礎固めの本であり、専門書への橋渡し。に、なっているか?コレ。そもそも専門書で勉強した人にも分かりずらい表現になっている。数学者が書いた物理の本みたいな。意図はわかるんだけどね。21世紀のクーラン・ヒルベルト? 2022/09/10