岩波講座 憲法〈1〉立憲主義の哲学的問題地平

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  • サイズ A5判/ページ数 332p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000107358
  • NDC分類 323.14
  • Cコード C3332

出版社内容情報

いま、改めて立憲主義というキーワードへの関心が高まっている。立憲主義とは、人間の人間に対する権力行使を「法の支配」に服させる企てであるが、それは「人の支配」を隠蔽合理化するイデオロギーにすぎないのだろうか

内容説明

「憲法」の役割とは何か。空疎な改憲論が横行するなか、いま、改めて立憲主義というキーワードへの関心が高まっている。立憲主義とは、人間の人間に対する権力行使を「法の支配」に服させる企てであるが、それは「人の支配」を隠蔽合理化するイデオロギーにすぎないのだろうか。立憲主義を問い直し、哲学的に再構築する。

目次

1 立憲主義の基礎理念を問い直す(市民的自由は憲法学の基礎概念か;社会契約は立憲主義にとってなお生ける理念か;「法の支配」の立憲主義的保障は「裁判官の支配」を超えうるか;権力分立原理は国家権力を実効的に統御しうるか)
2 現代思想に対する立憲主義の挑戦(共和主義ルネッサンスは立憲主義の死か再生か;公私区分批判はリベラルな立憲主義を超えうるのか;差異の政治は自己表出力なき者の人権を擁護しうるのか;リバタリアンは「立憲主義の為の闘争」を戦いうるのか)
3 立憲主義の哲学的脱構築と再構築(政治的リベラリズムにおける「立憲的精髄」は「暫定協定」を超えうるか;プラグマティズムは法の支配を否定するか;根元的規約主義は解釈改憲を放縦化させるのか;憲法の公共性はいかにして可能か)

著者等紹介

井上達夫[イノウエタツオ]
1954年生。東京大学、法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ペンギン伊予守

5
井上達夫先生の「はじめに」、「憲法の公共性はいかにして可能か」だけでも読む価値があります。自分の中に固定化されない視点を保つという意味で。2017/07/31

すずき

1
憲法講座と銘打ったシリーズの第一巻が哲学的視点から見た立憲主義をテーマとしたのは興味深い。完全に個人の趣味であるが、最初の毛利透論文、そして最後の井上達夫論文が特に面白い。この二者がそれぞれ政治の場における「言論」を行う者に対する規範的要求について、対照的な見解をとっている点もまた実に興味深いところである。反転可能性・他者にとっても受容可能な理由付けを各人に要求する井上と、そうした正義基底的な憲法観を認めつつも言論への態度について中立性を求める毛利の2人がトリとアタマを飾る構成もまた美しい…かもしれない。2018/09/24

オブ犬

1
読み切ったもののボクには難しくてあまり理解にまでは及ばなかった。ただ、憲法というシステムの意義や正統性などの根本的で哲学的な問題を様々な角度から検証しているのは伝わった。2016/07/24

ぴろし

0
読み終わったので、TLOに送付。2015/01/04

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