内容説明
総力戦は、諸産業から文化・思想にいたる様々な領域に深く長期的な変動をもたらし、社会を再構築した。第三巻では、「帝国日本」とその占領地域における総動員体制の性格を、変容するジェンダー・人種・国民等のイメージから読み取るとともに、「協力」/「抵抗」に単純に識別することのできない、複雑多様な個人と集団の様相を探る。
目次
1 動員される感情と身体(「抒情」と戦争―戦争詩の主体における公と私;戦う兵士/護る兵士―銃後の自意識の図像学 ほか)
2 戦争のジェンダー秩序(「前線」と「銃後」のジェンダー編成をめぐって―投稿雑誌『兵隊』とリーフレット『輝ク』を中心に;戦時動員と福祉国家 ほか)
3 戦争の中のマイノリティ(殺す権利、生かす権利―アジア・太平洋戦争下の日本人としての朝鮮人とアメリカ人としての日本人;パプアニューギニアとアジア・太平洋戦争 ほか)
4 戦時の知、戦後の知(「家」はいかにして戦争に対峙するか―渋沢敬三とその周辺;転向論の戦時と戦後 ほか)
著者等紹介
モーリス‐スズキ,テッサ[モーリススズキ,テッサ][Morris‐Suzuki,Tessa]
1951年生。オーストラリア国立大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。