内容説明
現代人の生活の場=都市を多面的に解剖。新たなパラダイム。
目次
1 現代都市の様態(社会経済学的視点から;都市工学から見た都心居住の展望;おおいなる没落―関西像の変容を読む)
2 都市の機能
3 都市型社会の政治発想
4 都市の思想―都市の計画と反計画
5 都市の特徴と個性(江戸像の系譜;上海)
6 都市の病理学
感想・レビュー
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misui
6
発行は1989年。情報化時代を迎えて姿を変えつつある都市を前に、都市というものの性格と課題を論じる。オスマンのパリ大改造からの流れを汲むコルビュジェの機能主義的都市は、その明晰さゆえに20世紀の都市モデルの基本をなしたものの、あくまでも外から押し付けた計画的モデルであって、内に住む人間との間に齟齬をきたす。殊に東京では高度経済成長期の企業資本主義体制も手伝い、中曽根政権の失策によって地価が天文学的に跳ね上がることで、人の住めない都市を生んだ。現状と地続きのこのバックボーンが確認できただけでもありがたい。2014/09/12