内容説明
台湾の経済発展を牽引してきたハイテク産業(半導体産業及びパソコン産業)は、どのように生成し、発展してきたのか。本書は、既存の研究では十分に捉えられてこなかった「技術者」という個人を分析の中心に据えて、産業発展の経路を検証する試みである。個人の意思や選択、個人間の摩擦や協調といった出来事が、発展経路に決定的な影響を与えていった様子が詳しく描き出されていく。膨大な資料と調査をもとに産業発展のダイナミズムにせまる労作。
目次
分析アプローチと課題の設定
技術者から企業家へ―台湾ハイテク産業の起源
国家の挑戦―パイロットプラント計画の策定
技術者たちの挑戦―パイロットプラント計画の実施
企業化への挑戦―聯華電子の設立と発展
分業体制の形成―VLSI計画とTSMCの設立
有効性を失った国家と技術者のパートナーシップ―サブミクロン計画と世界先進のスピンオフ
パソコン産業研究序説―産業の構造、企業の盛衰、分析の視角
エイサーと施振栄―台湾ドリームの達成、自社ブランド路線の苦闘
パソコン産業の漸進的かつ多様な発展―創業と発展の5つの類型
産業の生成と発展―台湾ハイテク産業の経験とインプリケーション
著者等紹介
佐藤幸人[サトウユキヒト]
1963年生まれ。1986年東京大学経済学部卒。1991年国立台湾大学経済学研究所修士課程修了。現在、日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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