内容説明
中東・中央アジア地域の国々では過去20年にわたり「民主化」要求や「独裁」体制の改編などの政治・社会改革をめざす国内からの挑戦に直面してきた。また特に9.11事件以後はアメリカからの「民主化」圧力や体制変換要求に曝されている。にもかかわらず、アフガニスタンやイラクを除く多くの国々では、いまなお権威主義体制が存続している。その理由は何か、綿密な実証研究から明らかにする。
目次
中東・中央アジアにおける「したたかな国家」
第1部 動員―権力基盤確立のために(権威主義・独裁維持のための「多元主義」―バッシャール・アサド政権下のシリア;エジプトにおける議会家族の系譜;カザフスタンにおける地方政治エリート(1992~2001年))
第2部 政治参加―開かない門、壊れた扉(体制内改革の「失敗」とイラン・イスラーム共和国体制基盤;トルコにおける社会的亀裂と政党制の定着;オスロ合意、ロード・マップ、ジュネーブ提案―イスラエル・パレスチナ和平プロセスの10年;イラクにおけるシーア派イスラーム運動の展開)
著者等紹介
酒井啓子[サカイケイコ]
1959年生まれ。日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター参事
青山弘之[アオヤマヒロユキ]
1968年生まれ。日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター中東研究グループ研究員
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