内容説明
人気のノーベル賞科学者が、基礎教育の大切さ、子どもの褒め方・叱り方など、科学者らしい視点で語る。父の思い出、エジソンの失敗、血液型と背後霊―ユーモアと含蓄に富んだ、益川節の教育論。教育の問題点と打開策を指摘・提言した、パネルディスカッションを併録。
目次
はじめに 「教育を子どもたちのために四・二五集会」実行委員会
第1部 講演・教育と自由(益川敏英)
第2部 パネルディスカッション・教育を問う、社会を問う((司会)小森陽一、(パネリスト)木附千晶、藤田英典、本田由紀)
著者等紹介
益川敏英[マスカワトシヒデ]
1940年生まれ。物理学者。京都大学名誉教授、京都産業大学教授、名古屋大学特別招聘教授。2008年ノーベル物理学賞受賞
小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年生まれ。日本近代文学研究者。東京大学大学院総合文化研究科教授
木附千晶[キズキチアキ]
1970年生まれ。ジャーナリスト。DCI日本運営委員。機関誌『子どもの権利モニター』編集長。IFFCIAP相談室カウンセラー
藤田英典[フジタヒデノリ]
1944年生まれ。教育社会学者。国際基督教大学教授
本田由紀[ホンダユキ]
1964年生まれ。教育社会学者。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
17
3・11前だったので、今よりも放射能の危険性は認識されていない。エンゲルスのことばで、「自由とは必然性の洞察である」という、ヘーゲルの自由をエンゲルスがこう解釈したことを、益川先生は解説される(7頁)。益川先生の考えでは、記号で答よ式のお勉強ではなく、結果だけの記憶を問うだけでは教育疎外(29頁)とされる。同感である。もっと読書会を開くことで活字離れをなくし、論述力をつける教育が喫緊の課題であろう。国語力は全ての基本であると実感される。2014/03/07
tochork
2
50ページぐらいしかない薄い本なのですぐに読めますよ。 以下感想 教育基本法の改悪と競わせる学校の無意味性はもうコチラがびっくりするほどの強く主張されており心が動かされた。前半の益川敏英さんの講演は学校教育の有益さをわかりやすーく話してくれててためになった。この本の主張の大枠には全面的に同意する。2010/11/26
まさきち
2
集会のまとめ。益川さんの講演は読む価値あり。パネルディスカッションは話し言葉そのままで議論をしてるので、内容がじゃっかん雑な印象。現状を伝えたいのであれば、どういうことがすすんでいるかなども本書に含めたほうがよかったのでは。この本だけでは反対意見のみで現状も問題点も把握しにくい。2009/10/17
ジャッキー
1
「今こそ声をあげよう!教育を子どもたちのために四・二五集会」のパネルディスカッションと講演を元にした本。「席に座っていれば進級できる」から「習得したら進級できる」に変更が必要との事。非常に頷ける。2014/01/12
ひやしなむる
1
「子どもを救え、そして大人たちを救え。まず自らを救え」。薄さの割に内容が濃い。頭の中ぐーるぐる。良い本。2011/06/24