岩波ブックレット
希望と絆―いま、日本を問う

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  • サイズ A5判/ページ数 52p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000094634
  • NDC分類 304
  • Cコード C0336

内容説明

一人ひとりの命への無関心がはびこり、平和について後ろ向きの対応しかできない日本。いま、あらためて、人間としての「正当性」を問いつづけなければならない。希望ある社会のため、次世代へつなぐメッセージ。

目次

第1章 絆の傷んだ時代に(「地域」から日本を考える;自分の「郷」への思い;命をつなぐ、ライフリンク;一年間に三万人が自殺する国で;「正直者がバカを見る社会」;一人では生きられない;薬物中心の治療への疑問;一卵性双生児、韓国と日本;絆が傷み、社会が傷んだ;非常識が常識に)
第2章 平和のために日本ができること(オバマの核軍縮宣言;日本の核をめぐる動き;私にとっての韓国、北朝鮮;日朝平壌宣言の背景;北朝鮮の「飛翔体」;アメリカの選択;北朝鮮を「知る」ことの必要性)
第3章 正当性を問い、希望を語る(言いたいことが言えなくなる危険性;問題にすべきは「正当性」;「チェンジ」の歴史はめぐる;常識からみて正当かどうか;希望のある社会のために)

著者等紹介

姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授。専攻は政治学・政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

2
この本を読んでからさっそく、毎年三万人以上が参加する東京マラソンのスタート地点の映像をyoutubeで見てみた。たしかに、毎年約三万人の人が自殺しているということが単なる数字としてではなく、実感として少し分かった気がする。それでも数字が大きすぎてまだピンとこないところがあるし、全員にそれぞれの人生や出会った人たちとの関係があることを想像しようとするとめまいがする。それでもイメージしにくいものをイメージできるようにする試みとして東京マラソンの映像を撮るというのは面白いし、有意義な試みだと思いました。2011/09/16

endocco

1
多くの問題提起と鋭い警告が満ちていて、ページ数は少ないのに容易に呑み込めない。身近な小さな地域・関係にまず根ざし、お互いのための社会を取り戻すこと。そして少数でも正当性を主張し議論することができること。まったくもって、現在の日本に欠けていて、必要なことと思う。目指すのは、平和であり、希望の持てる社会というところだろうか。2013/01/02

ツキノ

1
岩波ブックレット。社会学の棚でシェルフ・リーディングしていて気になり借りる。印象に残った話としては、年間三万人の自殺者の多さを、同様の人数である東京マラソン参加者がスタートするのにかかる「時間」として実感すること、東京大学の社会画学研究所で新たに「希望学」という講座ができたこと。2011/08/20

kumota

0
少数でもやはり正しい事、正当性が大事であり、その著名人の一人が姜さんだとはっきり明言している。 本来政治家がこのような先頭を切るのだろうが、姜さんの発言に自分のどこかでモヤモヤしていた気持ちを肯定出来た人も少なくなかったのではないだろうか。2012/10/16

壱萬弐仟縁

0
自殺とは、社会・経済的なテーマである(p.9)。個人の問題をはるかに超えるからである。そうであるからこそ、弱い個人が14年連続で3万人以上自らいのちを絶つのだ。なんとかしなければ、と切に思う。そして、亡くなる方の多くは、みな、正直で、他人に迷惑をかけまい、といういい人だという(pp.12-13)。「本来は、市場も政府も社会のためにある」(p.21)。この指摘を噛みしめない限り、経営者も政治家も官僚も、消費者や納税者から感謝されることは少ないと思える。2012/05/31

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