出版社内容情報
ひとはなにを,なんのために学ぶのか.過去の遺産である知識や経験を受け取る際に重要なポイントを明快に指摘し,学ぶひとの現実世界とのかかわり方の大切さを熱く語る.若い世代に向けた,著者からのメッセージ.
目次
1 学びて思わざれば罔し思いて学ばざれば殆し
2 学ぶためになにが必要か
3 日本の社会を変えていくために
著者等紹介
加藤周一[カトウシュウイチ]
1919年東京生まれ。東京大学医学部卒業。文芸評論家・作家。1951年渡仏、55年帰国。医師をしながら「日本文化の雑種性」などを発表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
3
「なし崩し」で変わってきた日本の歴史の項目がある(22ページ~)。どうもそのことは、原発とかダムとか道路とか土砂崩落防止崖工事とかトンネル工事とかいうような開発に付きまとっていたやり口だったような気がする。漸進的な変化だからこそ、一気には変わらないにしても、そういえばかなり変わった、と後でしみじみわかるような変化。それは、格差社会とか、年間自殺者3万人以上の常態化のような問題にみられると思った。ずるずるといってしまうことは、多数決だから止む無し、という数の論理で進められることもある。冤罪もそんな感覚?2012/07/28
やま
1
最近では知識をただ詰め込むだけ、受験などで勝ち残るための勉強が学校、塾、通信教育でされている。実際自分もただ指示されたこと、必要だと言われたことを学習してきた。だけどそうじゃない。自分で問題意識を持ち、それについて考え、それを解決するために必要な知識を得る、それが学ぶことだと本書を読んで思った。これをきっかけに学ぶということに対し、真剣に取り組んでいけたらと思う。2012/02/09
盧嘉林
0
思ったよりも 薄かったですが 読み応えあります。2016/12/29
スプーン
0
『沈黙は現状を承認する発言である。核兵器に反対しなければ、核兵器を容認したことになり、ナショナリズムに対して反対しなければ、過去のナショナリズムをも容認したことになる』と説いています。いじめや戦争も全部一緒ですね。黙っているとすべて自分の身に降りかかってくる。第二次大戦の様に。2015/07/10
ご〜ちゃん
0
自分の思想をわかりやすく、明晰に書かれている。客観的な体系を「学ぶ」とともに、主観的な可能性を「思う」こと。両方を一組として世の中のこと、自分の周りのことを学び、思っていきたい。じっくりと読み込んでいきたい本です。2010/10/12