出版社内容情報
東京電力の原子力発電所の自主点検作業において,80年代後半から,ひび割れの存在を隠すなどの不正が行われていた.この衝撃的な「トラブル隠し」は何を意味するのか.事件の事実関係を整理し,原発の安全性を問い直す.
目次
1 東電トラブル隠しの真相
2 原発の安全性のうらがわ
3 赤信号のともった日本の原子力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スカイバニラ
3
02年に発覚した東京電力のトラブル隠しについての本。原子炉圧力容器の内部にある機器類に関して、自主点検の記録に不正が行われており、さらに福島原発での様々なトラブルに関しても検査記録の隠蔽が行われていた点について述べています。本書は反原発推進グループの原子力資料情報室によって執筆された本ですので、福島原発に関してクロスチェックをする上での一つの資料として読みました。02年当時から9年経過した間に福島原発でどのような改善が行われたかはわかりません。しかし一刻も早く事態が収束に向かうよう願います。2011/03/20
ハンギ
1
他の原子力資料情報室のブックレットを読んだけど、ちょっと分かりづらい部分もあるし、僕も一読しただけだけど、原子炉のシュラウドという炉心隔壁にヒビが入っていることを、東電が隠したのはいただけないと思う。図でみると、圧力容器の中の部品で、炉心という燃料棒が入っている部分の外壁にあたる。また今問題が起きている、福島第一原発の一号炉は行政処分を受けて一年間停止させられていたこともわかった。トラブル隠しがあらわになったのは、製造元のGE社の内部告発によるものであり、東電の体質はひどいこともわかった。2011/05/04
qoop
1
2002年までに発覚した、原発事故隠蔽の概要。確認のために読んでみたが、東電と保安院の馴れ合いや隠蔽体質など、事故の人災的側面が如何に根深いものか思い知らされる。素直に反省が活かされているのか…正直疑いを禁じ得ない。ただ、こうした告発がなされたことで、多少の透明性は確保されたものと思いたい。2011/04/28
壱萬弐仟縁
0
私は、昨今の猪瀬直樹氏や、金子勝氏のツイッターでのつぶやきを参照させていただき、図書館で本著を見つけて、2002年や04年に発行されている本著の薄い厚みにして、内容はヘビーなものとなっているとわかる。今だからこそ、本著を読み、ブックレットは高校などの図書室にもあるので、生徒にも目を通してもらいたいと思う。7~9ページの記録改ざんをみれば、重大事故も隠ぺい体質になるのは目に見えていたはずであろう。市民目線で、この本を読み直して、もう、騙されないようにしなければならないと思う。2012/06/30
ARAMAKI
0
たったの70ページだったけど、読み終わるまで時間がとても長く感じた。過去にこれだけの問題が発覚していながら改善していない事が恐ろしい。疲れますが興味がある方は是非読んでみてください。2011/06/20