出版社内容情報
1988年,軍政下の韓国に真のジャーナリズムを目指して生まれた日刊紙「ハンギョレ(1つの民族)」.発行部数60万部を誇り,高い信頼を勝ちえている同紙の誕生と苦闘,今日の姿を現地取材をもとに報告する.
目次
1 「真のジャーナリズム」を求めて
2 「貧者の一灯」
3 権力と資本からの独立
4 社内民主化が自由言論の源
5 10年で黒字達成
6 若者をつかんだ多角化戦略
7 批判と存在価値
8 残された課題と日本の私たち
著者等紹介
伊藤千尋[イトウチヒロ]
1949年山口県生れ。東京大学法学部卒。東大ジプシー探検隊長。74年朝日新聞社入社。中南米特派員、「AERA」編集部員、バルセロナ支局長、川崎支局長、「地球プロジェクト21」NGO・国際協力チーム等を経て、現在外報部所属。アジア記者クラブ代表委員。主な著書に『燃える中南米』『太陽の汗、月の涙』『歴史は急ぐ―東欧革命の現場から』『観光コースでないベトナム』『狙われる日本―ペルー―人質事件の深層』『フジモリの悲劇』『「ジプシー」の幌馬車を追った』など
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感想・レビュー
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tellme0112
10
新聞は、編集、制作と印刷と切り離せないものなのだな、と思った。活版からコンピューターに移行する時期。苦労を想像する。ハンギョレが役目を終えるのは韓国が本当に民主主義国家になったとき。なんて言ってたけど、民主主義国家を維持するために、報道は必要でありつづける。ハンギョレ新聞は語学の勉強のためにたびたび購読していた。記事で覚えているのは公共交通の値上げに反対する人々の声。日本では簡単に値上げがされてしまうものだったので、交通費は人権に関わる問題なのだと認識したのだ。2019/12/02
ののまる
5
うわあ、これこそジャーナリズム!なんか胸が熱くなった。日本の国民は自分たちが社会を変えられることを知らないという指摘。でもそれは韓国が軍事政権であったかこそ、民衆が戦い、ハンギョレ新聞を支持したことも自覚しつつ。2024/03/06
takao
2
ふむ2023/05/04
t-1484
0
韓国で影響を持ち始めている新聞の社史としては面白かった。しかし、後半になれば何かイデオロギー色のようなモノが強くなってきて違和感も感じ始めてた。このへんを読むとジャーナリズムの気持ち悪さも希望も両方見えてくる。2010/12/08