岩波新書の江戸時代<br> 四谷怪談―悪意と笑い

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岩波新書の江戸時代
四谷怪談―悪意と笑い

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000091381
  • NDC分類 912.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『東海道四谷怪談』が初演されたのは幕藩制が土台から腐りはじめ,あらゆる既製の秩序が崩れていく時代であった.忠臣蔵のパロディの形をとって描かれた鶴屋南北のドラマ世界から,崩壊期の精神とその可能性を読み取る.

内容説明

お岩の幽霊で知られる『東海道四谷怪談』が初演されたのは文政八年、幕藩制がその土台から腐りはじめ、あらゆる既成の秩序が崩れていく時代であった。鶴屋南北は、この崩壊期のエネルギーを、忠臣蔵のパロディの形をとって描き出した。悪意と哄笑、猥雑と醜悪の織りなす南北のドラマ世界から、崩壊期の精神とその可能性を読みとる。

目次

崩壊期の精神
1 猥雑・滑稽・グロテスク(越境する空間;拡散的な序幕の構図;悪と色好み;地獄宿の喜劇と愁嘆;悪の絵模様)
2 顔にかかれたドラマ(幽霊の不幸な物語;女形と悪の美;お岩の変身;被害者から加害者へ;悪の競演;恐怖と笑いの背中あわせ)
伊右衛門は死んだか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ごん

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幽霊と化け物の境界線の話が面白かった。幽霊の一念は人の猥雑な悪が持つ夾雑物に邪魔されてかき消えてしまいかねず、幽霊が生者の悪に対抗する力を得るために何が必要だったかというのも面白い話。文脈を外しまくる者へ対抗するにはただ文脈を律儀に通そうとするのではなく、どこに外されても連れ戻しに来るくらいの圧倒的な力が必要で、それを得るには自らも常道を逸しないといけなくなるんだなー。2016/02/22

catalyst

0
猥雑な『悪』が誕生するまで2009/04/01

しのみや

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どなたかこの作品を読まれた方、いらっしゃるでしょうか。 ワタシの頭では何がなんだか。時代の情勢と歌舞伎演目の悪の描き方の関係について書かれていると思っているのですが、 結論その答えがさっぱり分からないのです。 が。歌舞伎、すごい!説明分かりやすい!今すぐ四谷怪談見たい!という満足感は得られたという、不思議な作品なのです。

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