内容説明
幻の奇書といえば、アルキメデスの『方法』は格別だ。貴重な写本に祈祷書が上書きされた羊皮紙が偶然発見されたのち行方不明。それが前世紀末のオークションに突然現れて世界を驚かせた。その運命もさることながら、その驚くべき内容がもし千年早く知られていれば、近代数学の歴史はまったく違ったものになったという。今回初めて読解された部分も含め、時代に二千年以上先んじた天才の思考を読む。
目次
第1章 アルキメデスとシュラクサイ
第2章 C写本の数奇な運命
第3章 体積を求めるアルキメデスの天才的方法
第4章 知られざるアルキメデス
第5章 ギリシア数学から近代数学へ
著者等紹介
斎藤憲[サイトウケン]
1958年生まれ。1980年東京大学教養学部卒業(科学史科学哲学)。1982年東京大学文学部卒業(イタリア語イタリア文学)。1990年東京大学大学院理学系研究科博士課程(科学史科学基礎論)修了。理学博士。1992年千葉大学文学部助教授。1997年大阪府立大学総合科学部助教授。改組により2005年より大阪府立大学人間社会学部助教授。専攻はギリシア数学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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calaf
9
20世紀初頭に発見された、アルキメデスのC写本。その中にある『エラトステネスに宛てた機械学的定理に関する方法』はそれまでに知られていなかった著作であるとともに、思考方法を示してあり、幾何学から代数学への発展の発端を見る事ができる。。。というのが主張。今では中学で習うような事ながら、ギリシャ時代には全くそういう発想がなかったのですねぇ...2013/04/18
ottohseijin
0
アルキメデスの求積法(の証明)はえらく煩雑で、逆に微積分のありがたさを実感しました。積分的な考え方はアルキメデスの昔からあったけど、図形から離れることができなかった。面積や体積を単なる量として扱うことを「発明」したのは近代になってから。時代からは自由でいられない。2008/12/04
takao
0
ふむ2021/07/24