岩波科学ライブラリー<br> 皮膚は考える

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岩波科学ライブラリー
皮膚は考える

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  • サイズ B6判/ページ数 108p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000074520
  • NDC分類 494.8
  • Cコード C0345

出版社内容情報

皮膚は身体を包むだけの単なる包装紙ではない.からだ全身を被い,重さは約3キロにもなる最大の「臓器」である.かつ,皮膚は環境に応じて,その状態を変化させ,必要な情報を体内に伝える.著者らは,脳神経系で働く物質と同じものが皮膚に存在することを発見した.鍼灸医療の本質ともからむ皮膚科学の最新研究を紹介する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

412
著者は工学の専攻で、畑違いに見えるのだが、どうやらこの分野での第1人者のようだ。皮膚が身体全体(臓器や筋肉、血管、神経系など)を包み込むパッケージ、あるいは外界の環境(物質や温度等)と接する最前線(広げれば畳1畳分くらいらしい)であることは、誰しもが感じるところだろう。だが、皮膚はそればかりではなく、免疫系をつかさどる臓器であり、脳と同じ受容体まで持っているらしい。また、鬱などの心的ストレスとも関わりがあることも明らかになってきたそうだ。「らしい」とか「そうだ」が続くのは知らなかったことばかりだからだ。2020/04/30

k5

59
これが傳田先生の最初のご著書で、以後のものに比べるとだいぶ普通に皮膚科学の話をされています。イメージ豊かな『皮膚感覚と人間の心』を読んだ後なので、理解を固めるのに役立った感じです。しかし、どのようにして皮膚の知覚と感覚の理論に至ったか、という研究史を知る上ではいちばんワクワクする本かも知れません。East Meets Westってよく言いますが、この本の発想には東洋的なものを西洋科学の思考で捉え直すようなところがあって、これがとても腑に落ちます。2020/07/02

万葉語り

39
実は皮膚って胃とか心臓とか並に大事で、いろんな機能を兼ね備えているんだということが分かった。ストレスが掛かると傷の治りも遅くなるとか、環境に適応して少しずつ状態を替えているとか人間もやはり動物なのだと思った。仕事上の課題図書で、最初は気乗りしなかったが勉強になった。2018-192018/01/27

手押し戦車

13
皮膚にはランゲルハンス細胞があり免疫バリアをして菌が入って来たことをリンパに知らせ環境に応じて角層バリア機能を向上させる。脳にあるイオンチャンネルが皮膚の表面にありアセチルコリン受容体の中のニコチン性受容体が刺激を受け中毒になる。皮膚の痒みの元のヒスタミンやそれを分泌するマスト細胞の数も乾燥してると増える角質が臨戦状態を維持してる。皮膚は光と熱を感知し脳に指令を送り危険を回避させている。手にタコが出来るのも日々の暮らしに支障が出ないように角質が固まり危機を回避してる。無意識のうちに危機を回避する守護神2014/09/20

calaf

12
皮膚は、外界との境界であり、高度なセンサーやゲートの機能を持っている。見方によっては、そこで思考していると考える事も可能。確かに、子どもとかは肌に触れていると安心するという話は聞きますね。2013/05/09

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