出版社内容情報
『グリム童話』に匹敵する民話集をという熱意から、カルヴィーノは作家活動の一切をなげうち、イタリア全土から典型的な民話200篇を選んで世に問うた。その中より75篇を精選。(上=北イタリア編、下=南イタリア編)
内容説明
イタリアの民話は長い伝統によってつちかわれた。一三〇〇年代の商人の叙事詩とよばれるボッカッチョ『デカメロン』、ヴェネツィア、ムラーノ島で謝肉祭の時期に繰りひろげられたストラパローラ『楽しき夜毎』(十六世紀)、そして十七世紀のバジーレの民話集『ペンタメロン』がそれである。主人公に“王さま”と肩を並べて“商人”が登場するのも、イタリアならではの特色である。
目次
木造りのマリーア(ローマ)
皇帝ネーロとベルタ(ローマ)
三つの石榴の愛(アブルッツォ地方)
鍬を取らねば笛ばかり吹いていたジュゼッペ・チューフォロ(アブルッツォ地方)
傴僂で足わる・首曲り(アブルッツォ地方)
一つ目巨人(アブルッツォ地方)
宮殿の鼠と菜園の鼠(モリーゼ地方)
黒人の骨(ベネヴェント)
洗濯女の雌鶏(イルピーニア地域)
最初の剣と最後の箒(ナーポリ)
狐の小母さんと狼の小父さん(ナーポリ)
ほいほい、驢馬よ、金貨の糞をしろ!(オートラント地域)
プルチーノ(オートラント地域)
人魚の花嫁(ターラント)
最初に通りかかった男に嫁いだ王女たち(バジリカータ地方)
眠れる美女と子供たち(カラーブリア地方)
七面鳥(カラーブリア地方)
蛇の王子さま(カラーブリア地方)
金の卵を生む蟹(カラーブリア地方ギリシア語地区)
人魚コーラ(シチリア島パレルモ)
なつめ椰子・美しいなつめ椰子(パレルモ)
賢女カテリーナ(パレルモ)
風を食べていた花嫁(パレルモ)
エルバビアンカ(パレルモ)
ツォッポ悪魔(パレルモ)
床屋の時計(パレルモ後背地)
仔羊の七つの頭(フィカラッツィ)
この世の果てまで(サラパルータ)
気位の高い王女(トラーパニ近郊)
隊長と総大将(アグリジェント近郊)
孔雀の羽(カルタニツセツタ近郊)
二人の騾馬引き(ラグーザ近郊)
十字架像に食べ物をあげた少年(カターニア)
角だらけの王女さま(アーチレアーレ)
ジュファーの物語(シチリア全域)
修道士イニャツィオ(サルデーニャ島カンピダーノ平野)
ソロモンの忠告(ガッルーラ山地)
人間に火を与えた聖アントーニオ(ログドーロ高地)
三月と羊飼(コルシカ島)
ぼくの袋に入れ!(コルシカ島)