現代数学への入門
双曲幾何

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  • サイズ A5判/ページ数 167p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000068826
  • NDC分類 414.8
  • Cコード C3341

出版社内容情報

ご好評をいただいた岩波講座「現代数学への入門」を,装いを新たにしてお届けします.高校程度の入門から説き起こし,大学2~3年生までの数学を体系的に説明します.理論の方法や意味だけでなく,それが生まれた背景や必然性についても述べることで,生きた数学の面白さが存分に味わえるように工夫しました.

内容説明

双曲幾何とは、平行線の公理を否定して作られた非ユークリッド幾何学のことである。より一般的なリーマン幾何学の重要な例の一つであるが、それだけにとどまらない。群と作用(リー群)、複素関数論とリーマン面、基本群(離散群)など、双曲幾何に関わる数学は多く、本書ではそういった関わりの一端を示す。

目次

第1章 1次分数変換(ガウン平面と1次分数変換;群と作用;1次分数変換の性質)
第2章 上半平面とポアンカレ計量(ポアンカレ計量;幾何学とそのモデル;共形変換・等角写像)
第3章 双曲面モデル(双曲面モデル;3角法;理想境界)
第4章 タイル張り、離散群、ガウス‐ボンネの定理(多角形の面積;平面のタイル張りと離散群;双曲線のタイル張りと離散群)

著者等紹介

深谷賢治[フカヤケンジ]
1959年生まれ。1981年東京大学理学部数学科卒業。現在、京都大学理学部数学科教授。専攻は幾何学(リーマン幾何学、ゲージ理論、位相的場の理論)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がまくん

5
素晴らしい、双曲幾何学の入門書。 双曲幾何についてまとまって書かれた、和書として貴重な一冊。 微積分、線形代数、群、複素関数論の初歩的な知識を持つ方なら楽しんで読めると思う。(必要な知識はある程度補足されているので、本当に必須なのは微積分と行列計算のみ) 【良い点】 •図が豊富 •例題や演習問題が豊富。(ほとんどに解答がつけられている。) •合間に挟まれている、おまけの名無しが興味深い。 【悪い点】 •いくつかの誤植 •いくつかの証明の不備(詳細はamazonで) 2016/01/20

U-tan

2
岩波講座「現代数学への入門」シリーズの深谷賢治『双曲幾何』(1996年刊)の単行本(2004年刊)化.  一般のリーマン多様体や,位相群・保型関数より,一般性は低いが,面白い双極幾何を一次分数変換を主要な道具に取り扱う.第2章ポアンカレ計量と上半平面と,幾何学とそのモデル.第3章は双曲面モデルと 3 角法と理想境界の取り扱い.第4章は多角形とオイラーの定理,ガウス=ボンネ定理,平面と双曲面のタイル貼りと離散群.第1章は導入章で複素数・群とその作用・一次分数変換. 楽しい入門書で,巻末の展望・参考書もよい.2016/04/30

海野藻屑

0
丁寧な文章でわかりやすかった。2017/05/03

 

0
「曲率とトポロジー」があまりにも証明抜きで双曲幾何を記述するので…寄り道。双曲幾何は本が少なく貴重。同じ深谷先生の「解析力学と微分幾何」にはかなり辛酸を嘗めさせられたが、こちらは頗る読みやすい。群の作用がバンバン出てくるので、代数学Ⅰの後に読むと良いかも。幾何学のモデルが等価とはなにか(エルランゲンプログラム)、双曲幾何のモデルの紹介と等価性、後半はオイラーの定理、タイル張りに離散群(やや難)。曲がっていてユークリッド幾何と異なる部分を調べ、分かっていくのは楽しい。他分野との意外な関係が見えるのもよい。2022/09/08

Bon Habler

0
ロバチェフスキーがやはりバビロニア=カバラ数秘術の伝道師であり、ユークリッド幾何学をつぶすために偽数式(複素解析とe)をもちいて数学を単なる政治化してしまったとわかった今、これから数学はどうなるんだろうかと思う。それもロバチェフスキーの出たカザン大学がまさにロシア革命の拠点だ。これは何かある。真実は武力戦で決めるものではない2020/09/24

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