出版社内容情報
ダーウィンの学説は生物学の進歩のなかで磨きあげられてきたが,その本質はいまだに誤解の波にさらされている.現代進化論の第一人者が,ダーウィニズムの精髄を抽出し,現代的な展望の中でその意味を明らかにする.
内容説明
ダーウィンの学説はそれまでの支配的な世界観を打ち壊し、科学的自然観の基盤を据えた。以来、遺伝学を主とする生物学の進歩のなかで磨きあげられてきたが、その本質はいまだに誤解の波にさらされている。総合説で知られる現代進化論の第一人者が、ダーウィニズムの精髄を抽出し、現代的な展望の中でその意味を明らかにする。
目次
第1章 ダーウィンとは
第2章 創造主義者との対決―第一次ダーウィン革命
第3章 種はいかにして生じるか
第4章 五つのダーウィン説に対するイデオロギー的反対
第5章 物理学者と哲学者とに対する闘い
第6章 自然選択説へのダーウィンの歩み
第7章 ダーウィニズムとはなにか
第8章 「ソフトな」遺伝に対する「ハードな」まなざし―ネオダーウィニズム
第9章 遺伝学者とナチュラリストは意見の一致に達する―第二次ダーウィン革命
第10章 進化生物学の新しいフロンティア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
5
ダーウィン自身の思索の時間的変遷を含め、彼の進化論がその登場以来、歴史的にどのような批判に晒され、認知されてきたかを解説している本。彼が『種の起原』で提唱したのは、単純な一本の学説ではなく、生物の進化説、共通起源説、種の分化説、進化の漸進説、形質の自然選択説からなる一団の学説群であり、そのため多方面に批判者がいたものの、遂に全否定されることなく、その時々で批判と受容をモザイク状に浴びながら議論され改善されてきた。進化とは何か? よく云われる「適者生存」よりも、私は「適応放散」の方が進化現象の本質だと思う。2020/03/03
ほに
0
94年初版だからもはや「現在」ではないが、しかし進化論と、それを巡っての論争や発展についてこれほど読みやすく整理された書籍は他にないのではないだろうか。