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原子力をめぐる科学者の社会的責任

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000053242
  • NDC分類 539
  • Cコード C0040

出版社内容情報

科学・技術政策が決定される場から批判的視点をもつ良心的な科学者がなぜ排除されるのか。あるいは、科学技術・政策に影響を与える形で世論と良心的な科学者がなぜ連携できないのか。現在、我々が直面しているこれらの大問題に、半世紀も前に取り組み奮闘した経験をもつ坂田昌一が残した言葉を集めて、あらためて読み解きたい。

内容説明

科学・技術政策が決定される場から批判的視点をもつ良心的な科学者がなぜ排除されるのか。あるいは、科学・技術政策に影響を与える形で世論と良心的な科学者がなぜ連携できないのか。現在、我々が直面しているこれらの大問題に、半世紀も前に取り組み奮闘した経験をもつ坂田昌一が残した言葉を集めて、あらためて読み解く。

目次

日本学術会議の発足1949‐1954(日本学術会議第一回総会に出席して;科学者と平和;日本にも原子炉を;原子力問題と取組む;広い観点に立って;科学者の苦悩)
三原則とウイーン宣言1955‐1959(科学者の社会的自覚;三原則と濃縮ウラニウム;科学亡国論;原子力と人類の将来;原子力についての訴え;科学者;フェスティナ・レンテ;動力炉の輸入と学会の態度;科学技術会議の設置と原子力の安全性をめぐって;原子力協定への危惧;ウィーン宣言;原子科学者とウィーン宣言;原子炉安全審査委員を何故やめたか)
科学者の責任1960‐1968(原子炉の安全審査機構はこれでよいか;科学時代と人類;日本物理学会の脱皮をのぞむ;科学における国際協力;将来計画のめざすもの;初心忘るべからず;科学の論理と政治の論理;人文・社会科学と自然科学と調和のある発展)

著者等紹介

坂田昌一[サカタショウイチ]
1911‐1970。1933年京都帝国大学理学部物理学科卒。理化学研究所、京都帝国大学講師を経て、42年に名古屋帝国大学理学部教授に就任。湯川秀樹、朝永振一郎、武谷三男らとともに、戦後の素粒子論研究のリーダーとして研究と教育の両面で尽力した

樫本喜一[カシモトヨシカズ]
1964年生まれ。大阪府立大学大学院人間社会学研究科人間科学専攻博士課程修了。現在、大阪府立大学客員研究員。専門は日本近現代史とくに原子力の歴史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
ふむ2021/11/10

のぶ

1
坂田氏の名前は今まで知らなかったのですが、この著作集というか発言集というかをざっと読んで、日本の核技術黎明期に産官主導の危なげな体制が形成されていくことに対する歯止めとして重要な役割を演じていた人であることが見てとれます。と同時に残念ながらその役割が充分でないままにこの国は2011年に至ってしまったということも。本書の中では科学亡国論という用語をちょっと違った意味で使いつつ、科学者が学問の独立を守り社会に貢献するべくエールを送っている本、ですが、この問題に関して市民が何ができる(た)か、は書かれてません。2013/02/04

すぎ

0
科学者と社会とについて,核・原子力の時代,大きな加速器を使うビッグサイエンスの時代を迎えて,関わり深い素粒子の研究者としてホントにまっとうな考えを発信していた人だったんだなぁ.2012/11/20

kadoyan

0
原子核物理学研究の第一線で活躍した坂田氏が、科学者としてどう社会的な責任を果たすべきなのかというスタンスを示すものとして興味深く読んだ。原子力をめぐり原爆や水爆への利用がなされているときに、「学問は、平和のために貢献されなければならない」「そのためにも、社会の在り方も検討されなければならない」というふみこんだ視点は、坂田氏ならでは。安全性をかえりみられることなくすいしんされようとする原発行政にたいしても、「規制機関を独立させるべき」という先見的な視点をもっていたことに、坂田氏のスタンスの一貫性を感じる。坂2012/04/03

psi_x

0
おおむね言いたいことは理解。金に釣られて科学者の社会的責任を忘れることのないよう。2011/12/24

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