出版社内容情報
経済学の山脈でひときわ高くそびえるワルラス．現代経済学の主流である新古典派経済学はワルラスの圧倒的な影響下にあり，『純粋経済学要論』の核心部分を理解することは近代経済学の基礎を確実に修得することである．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉱物
0
非常に分かりやすかった。ワルラスの模索過程と撃柝商いの類似性についての記述からは、理論と現実の関係に対する経済学者の身の置き様を垣間見た気がする。同じ限界革命の担い手として挙げられるジェヴォンズ、メンガーとの比較からは、メンガーの理論に対する解釈によって、ノンワルラシアンの経済理論へと繋がりうること、それはミクロ経済学とケインズ理論を中心とするマクロ経済学を接合することでもあることがわかった。同じ時代の経済学者でもかように世界の見方が異なるのか。実り多い良書。2015/08/03
