出版社内容情報
日中戦争下,困難な内外情勢に対処すべく三たび首相の座についた近衛文麿.しかし,その内閣は終始軍部に翻弄され,日本は戦争と破局への道をつき進む.自らを「運命の児」と称した悲劇的政治家の思想と行動を描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ucchy
1
ドラマチックすぎる人生。政治家としては、リーダーシップの欠如故日中戦争拡大を止められなかったことや日米開戦を止められなかった責任は大きい、と思うが一方であの時代の暴走する陸軍を誰が止め得たか、とも思う。現在と異なり首相には閣僚罷免権も議会解散権もなく統帥権独立もあってリーダーシップを発揮しようにも限界があったと思う。リーダーシップは個人の資質に依ると思われがちだが、そもそもリーダーシップを発揮できるような制度になっていなければ、リーダーシップは生まれようがないのでは。また、シビリアンコントロールって重要だ2017/03/09