出版社内容情報
ソ連原発の大事故直後,日本の当局者がまず語ったのは「日本では大丈夫」であった.狭い国土に,稼動中の原発33基を抱える日本.本当に安全か?原発事故とはそもそも何か? 放射能の怖さとは? 基本問題をやさしく解説する.
目次
第1章 事故の怖さ1―放射能と放射線
事故の怖さ2―汚染と被曝
原発事故の二つの形―メルトダウンと核暴走
「人為ミス」をめぐって―なぜ事故はおこるか
「日本の原発は大丈夫」か
東海原発で事故が起こったら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
85
2016年765冊め。「日本では?」の副題で、第6章で東海原発で事故が起こったらというシミュレーションはされているが、大半は出版の半年前に起きたチェルノブイリ事故と、原発の構造や放射能についての説明に費やされている。原発の難しさを「制御と冷却」の二つが命題とし(前者がチェルノブイリ、後者がスリーマイル島)事故を分析している。2016/09/27
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
23
原子力産業の研究者であった著者による、日本の原発の危険性に警鐘を鳴らした一冊。古い本だが、事故が起こる仕組みや、そのことがもたらす影響などがわかりやすく、福島原発の問題をとらえるうえで参考になった。いまは事態の収束を祈るしかないとはいえ、放射能汚染の問題は日常生活でも対処を迫られている。難しい問題ではあるが、冷静な判断ができるように、いまからでも学ばなければと思わされる。2011/03/24
壱萬弐仟縁
22
1986年初出。 昭和時代だ。 1レム=1Sv(9頁)。 19頁の人体の器官にどんな放射能が 蓄積するか一目瞭然。 甲状腺はヨウ素。 皮膚はクリプトン。 肺はプルトニウム。 肝臓はコバルト、セリウム。 腎臓はウラン、ルテニウム。 生殖腺はセシウム、プルトニウム。 遺伝でもろに影響する。 骨にストロンチウム、ジルコニウム、プルトニウム。 筋肉にセシウム。 結局、セシウムやプロト二ウムが厳しい。 プルサーマルは、普通の原子炉で プルトニウムを〝混ぜ炊き〟すること(55頁)。 2014/04/29