出版社内容情報
現代社会を支える理念としての自由主義.近代国家創出期の明治啓蒙・自由民権から大正デモクラシーへと継承されてきたこの「自由の闘い」の思想的系譜を,西欧近代におけるリベラリズムとの対比において明快に描く.
内容説明
現代社会に貫通する理念である自由主義と民主主義。今日われわれが所有するこの理念は、どのような歴史的過程を経て共有財産となったのだろうか。近代国家創出期の明治啓蒙・自由民権から大正デモクラシーへと継承されてきた「自由の闘い」の思想的系譜を、西欧近代思想におけるリベラリズムとの対比において明快に描きだす。
目次
近代日本における自由主義の系譜
西欧思想の受容と国民国家構想の二類型―福沢諭吉と加藤弘之
明治前期におけるヨーロッパ政治思想の受容状況―「社会契約論」(天賦人権論)から「社会進化論」(政治的保守主義)へ
『時事新報』時代の福沢諭吉―「リベラリズム」と「ナショナリズム」の共生
日本の「アダム・スミス」田口卯吉―日本文明史観と商業共和国論
「自由国民主義者」陸羯南―日本のアイデンティティとしての「日本主義」
「社会的」民主主義者長谷川如是閑―インターナショナルな政治・社会思想の成立