ルポ 拉致と人々―救う会・公安警察・朝鮮総聯

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000024273
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C0095

内容説明

二〇〇二年九月一七日、北朝鮮・平壌で行なわれた日朝首脳会談。この日を出発点として、「近くて遠い」二つの国の歩み寄りが始まる―はずだった。しかしあれから八年、両国の関係改善は停滞し、北朝鮮では核開発が進められ、緊張はむしろ増してしまっている。日本国内では、拉致問題をめぐってメディアも政治も硬直したままでいる。異様な「北風」が吹き荒れ、それは「反北朝鮮ナショナリズム」とでもいうべき歪んだ数々の事象を引き起こした。本書はその一断面を描いたルポルタージュである。

目次

序章 北朝鮮にて
第1章 救う会と家族会
第2章 警察を歪ませた男
第3章 元公安調査庁長官の陥った罠
第4章 メディアと外交の迷走

著者等紹介

青木理[アオキオサム]
ジャーナリスト。1966年生まれ。共同通信社東京社会部で警視庁公安担当、外信部で2002年から06年までソウル特派員などをつとめる。現在はフリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おかむら

39
「家族会」と決裂した経緯などが書かれた蓮池透の本を読んだので、当事者視点じゃないこちらも読んでみた。「救う会」の過激さに引きずられて、ってかほぼ牛耳られて妙な方向へ行ってしまった拉致問題の経緯がよくわかる。そしてそれを利用して政権を掴んだ安倍(第一次ね)。そしてその辺をつつくとややこしいから当たり障りない報道に終始するメディア。この本は2011年に出たけど、その後第二次安倍になっても結局なんの進展もないまま辞めちゃって、ポーズだけの男だったというひどい話。たぶん菅も。あと朝鮮総連ビルの話はもっと知りたい。2021/01/11

matsu04

11
鋭い。鋭過ぎる。この取材力、問題の本質に迫る分析力には脱帽するしかない。タダモノではない。2015/03/22

kyoko

8
蓮池透さん、薫さんの著書は全部読んだが、青木さんのこの著書を読むと、透さんの言ってる通りで本当に日本政府は謝った方向に向いて来たことがわかる。歴史、特に現代史は間違った選択の連続である。学ぶことができない人に物事を判断させるべきではない。2019/08/03

壱萬弐仟縁

8
「拉致問題とは、日朝両国の不正常な関係という政治情勢下で引き起こされた不幸極まりない出来事だ」(84頁)。いまだに、横田さんのめぐみさんは帰国できていない。お孫さんの存在は知られることとなったが。かくしておくべきであった、という論としては、時の政権の意を慮って歪んだ警察権を行使したことで重用されたにすぎぬ、元キャリア警察官僚の不適格さを指摘している(114頁)。政治の貧困との関わりで、外交交渉の進展を膠着からどう図るか。今でも論点として必要な材料が書かれている気がした。2013/06/20

加藤久和

7
優れたルポルタージュ。この本を読んで感じたことはすべて著者が「あとがき」で書いてくれていた。歪んだ政治的野心を抱いた人々が北朝鮮の拉致問題に関わることによって、この問題の解決に向けて本来あるはずだった交渉プロセスは極右政治闘争へと変わってしまった。今後拉致問題については何の進展も無いだろうが被害者と家族はそれでいいのだろうか?それにしても第一次政権からの安倍晋三の素行が酷すぎる。拉致問題の解決を言挙げして総理になったはいいが金正恩から「なぜ直接言ってこないのか?」だって。やはり馬鹿につける薬は無いらしい。2018/06/06

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