落語の種あかし

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000024211
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0095

出版社内容情報

落語の多くは,先行文芸に材をとっている.博覧強記で知られる著者は,多くの文献から類似の説話を探しだし,「芝浜」「文七元結」「黄金餅」「風呂敷」など名作落語の原話をつきとめる.興味津々の種あかし.(あとがき=延広真治)

内容説明

「芝浜」「文七元結」「帯久」「大山詣り」「黄金餅」「風呂敷」「塩原多助一代記」…古典落語の多くは、噺本、黄表紙、読本、講談、歌舞伎など、先行する文芸に材を得ている。史実に基づくと思われていた噺が、実はまったくの虚構だった…、虚構である噺から伝承が生まれていた…、など、その成立を巡っては、虚実が複雑に絡み合う。豊富な読書量に培われた博覧強記で知られる著者は、類似の説話を比較対照することにより、落語がいかにして創りだされたかを解きあかす。年に二〇〇回は寄席・ホールに足を運ぶという、無類の落語好きでもある、著者の面目躍如の種あかし。

目次

第1章 落語における笑いの生成
第2章 人情噺はいかにして成立したか(「芝浜」―金を拾うはなしを正直説話より見る;「文七元結」―身投げを止めるはなし ほか)
第3章 噺さまざま、起源さまざま(「大山詣り」―狂言からの着想;「黄金餅」―奇想と滑稽の極み ほか)
第4章 円朝の種あかし(『塩原多助一代記』―原話のからくり;『蝦夷錦古郷家土産』と『欧州奇談夢の暁』―翻案物異説)

著者等紹介

中込重明[ナカゴミシゲアキ]
1965‐2004。近世・近代文学・博士(文学)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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おさむ

31
芝浜や文七元結、黄金餅‥古典落語の元ネタを探った、とても真面目な本。浄瑠璃や歌舞伎、文芸、はたまた欧州の小説まで古今東西、似たような話はよくあるんですね。どちらが真似たのか、それとも単なる偶然か。真実のほどはわかりませんが、面白い話というのは時代や言葉を超えて生き残るんだなと感じました。また立川談春の独演会行きたいなぁー。2019/09/18

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7
とんでもない本に出会ってしまった。著者は落語に取り憑かれた在野の研究者(のちに法政大大学院で博士号を得ている)。 学術的な文章と多岐に渡る引用は、鬼気迫るものがある。過剰といえるほどの探究心、古典文献の読書量が、著者の身体を蝕んでしまったのではないか。三遊亭圓朝の噺を翻訳や創作として解明するのみでなく、圓朝の内面に迫り、創作者としての当惑にまで考えを巡らせているのが素晴らしい。あとがきによれば、念願の落語復興が『寿限無』のブームで到来するシーンに立合うこと叶わず、白玉楼中の人となってしまっている。合掌。2019/10/20

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